配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
高レベル放射性廃棄物の地層処分用オーバーパック材料として最適化された組成を持つ新低合金鋼を開発すること目的として,マグネタイトの水素過電圧を増加させ,かつ還元溶解を抑制する微量金属元素を添加した低合金鋼の試作と耐食性の評価を行い,以下のような成果を得た。 1.マグネタイト皮膜のカソード反応特性に及ぼす合金元素の影響:イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法を用いてFe_3O_4に種々の酸化物MO_x(M : Cr, Mo, Si, Al, Ti, Cu, Ni, Nb)を添加した複合酸化物皮膜を作製し,模擬ベントナイト接触水(5.72mM-Na_2SO_4+7.99mM-NaHCO_3)中におけるカソード分極曲線を測定した結果,Cr_2O_3,TiO_2,Al_2O_3,MoO_2の添加によりFe_3O_4の還元溶解は抑制されることが分かった。 2.オーバーパック用低合金鋼の試作と腐食特性の評価:Fe_3O_4の還元溶解を抑制し,かつ水素過電圧を大きくする効果を持つことが明らかになった元素(Cr, Mo, Si, Al, Ti, Cu, Ni, Nb)を単独および複合添加した合計15種類の低合金鋼を作製し,圧縮ベントナイト中において腐食試験を行った。Fe_3O_4皮膜無しの場合には0.5%のCu, Al, CrあるいはTiを添加した鋼が優れた耐食性を示し,Fe_3O_4皮膜付きの場合には0.5%のCu, Nb, Tiを添加した鋼が優れた耐食性を有することが判明した。 3.開発低合金鋼の電気化学的分極特性の解析:模擬ベントナイト接触水中における試作低合金鋼のアノードおよびカソード分極曲線を測定した結果,腐食試験において高耐食性を示した低合金鋼は水素過電圧が大きく,またその上にできるFe_3O_4皮膜の還元溶解速度も低いことが確認された。
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