研究課題/領域番号 |
12450316
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松岡 正邦 東京農工大学, 工学部, 教授 (40016671)
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研究分担者 |
内田 博久 東京農工大学, 工学部, 助手 (70313294)
滝山 博志 東京農工大学, 工学部, 講師 (40251582)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
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キーワード | 複合結晶 / 三成分系溶液 / 核化 / 結晶成長 / 固体-固体界面 / 固体-液体界面 / 相平衡 / 機能性材料 / 固体-固体間界面 / 溶解度 / 生成機構 / 固体-固体間界面構造 / 固体-液体間界面構造 / 結晶表面構造 |
研究概要 |
複数の結晶化成分が共に過飽和状態にある系で、一方の結晶を成長させている際に他の結晶化成分を核発生させると、互いの結晶が合体した複合結晶が得られることを我々は見いだした。本研究では、複合結晶の生成機構を明らかにするとともに、新たな複合材料としての可能性を模索することを目的とした。モデル系として塩化ナトリウム-塩化カリウム-水系を選び、まず塩化ナトリウム過飽和水溶液中で成長中の塩化ナトリウム結晶の近傍で塩化カリウムを核化させたところ、塩化ナトリウム結晶表面に方位の揃った塩化カリウム微結晶が整然と配列していることが確認された。次に、塩化ナトリウム-塩化カリウム-水系三成分溶液中におかれた塩化ナトリウムの溶解している結晶表面上での塩化カリウムの析出挙動を検討したところ、母液に対する塩化ナトリウムの溶解により生じる局所的な高過飽和により塩化カリウムの核化が誘発されることがわかった。さらに、複合結晶の生成機構解明のため、塩化ナトリウム-塩化カリウム-水系三成分溶液中の塩化ナトリウム結晶の固液界面近傍の溶液構造を分子動力学法により解明を試みたところ、界面付近の溶液構造や局所組成は母液とは異なることが明らかとなった。また、生成した複合結晶を劈開して界面を観察したところ、界面部分に溝が形成されており、時間の経過とともに溝の幅と深さが増大し、形態も変化していることが確認された。これは、界面部分の構造が不安定であり、大気中の水分を吸着してその構造を変化させていると考えられる。さらに、硝酸ナトリウム-硝酸カリウム-水系及び塩化ナトリウム-硝酸カリウム-水系を用いて複合結晶の生成実験を試みたところ、いずれの系でも複合結晶の生成が確認された。このように、複合結晶の生成は塩化ナトリウム-塩化カリウム-水系以外の系でも確認されたことから、新規な機能性材料の開発に有意義な知見が得られた。
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