研究課題/領域番号 |
12450324
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016133)
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研究分担者 |
斉藤 信雄 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助手 (40313572)
西山 洋 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助手 (50303186)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 共鳴振動効果 / 合金薄膜触媒 / 格子変位 / 触媒作用 / 反応選択性 / エタノール分解反応 / 固体触媒 / 仕事関数 / 表面電位 / パラジウム / 銀 / 強誘電体 |
研究概要 |
本年度は、固体の触媒作用の活性化および反応選択性の変化をもたらす共鳴振動効果の機構をさらに発展させるため、従来の単一成分系の金属触媒に対し、2成分系である合金薄膜触媒に応用した。zカット-LiNbO_3強誘電体結晶基板にAgおよびAu(又はCu)薄膜を蒸着し、真空加熱処理することによりAgAuあるいはAgCu薄膜合金触媒を作製し、表面の金属組成をオージェ電子分光法により決定した。AgAuおよびAgCu薄膜触媒上のエタノール分解反応において、厚み方向の共鳴振動によりエチレンおよびアセトアルデヒド生成の両者がともに増加した。単一成分のAg金属触媒では、エチレン生成のみが促進されることと明らかに異なった共鳴振動効果が見られること、およびこの効果は、合金組成表面依存性を持つことが見出された。レーザードップラ法による格子変位測定から、合金触媒では、単独金属よりも共鳴振動によって発生する格子変位量は低下し、AgAu合金では20%Ag80%Auにおいて、またAgCu合金では60%Ag40%Cuで格子変位量が最小になること、およびこの最小となる格子変位の組成で、アセトアルデヒド生成活性が最大となることが見出された。光電子放出挙動における仕事関数の測定から、合金触媒においても共鳴振動により仕事関数は増加するが、その増加量は単独金属系に比べ大きくなることが示された。共鳴振動状態において、アセトアルデヒド生成活性増加が大きいのは、格子変位量が低く、また仕事関数増加が大きい組成と関連することを明らかにし、これが合金金属原子間の強い相互作用の存在に基づくことを示した。合金触媒は、単独金属触媒とは異なる共鳴振動効果を持ち、金属間原子の相互作用が大きい合金系が有用であることが示された。本年度の研究結果より、異種金属を組み合わせた触媒表面に拡張することよって、共鳴振動効果による金属の触媒作用の制御がさらに発展できることが明らかとなった。
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