研究課題
基盤研究(B)
ロジウム触媒によるオルトスチリルシクロブタノンの分子内オレフィン挿入反応を開発した。3位にオルトスチリル基を持つシクロブタノンをPh_2P(CH_2)_2PPh_2を配位子とする触媒量のカチオン性のロジウム(I)錯体存在下、m-キシレン中加熱したところ、4-(オルトスチリル)-3-ブテン-2-オンが51%収率で生成した。この反応では、シクロブタノンα位-β位炭素間へのロジウムの挿入が起こっているが、非常に困難とされるC(sp^3)-C(sp^3)結合の切断がビニル基の配位効果を利用して達成されたことは興味深い。同様の基質に配位子としてPh_2P(CH_2)_3PPh_2を持つカチオン性ロジウム(I)錯体を作用させたところ、6,7位にベンゼン環が縮環したビシクロ[3.2.1]-3-オクタノンが81%収率で生成した。この生成物は、シクロブタノンのカルボニル炭素-α位炭素のロジウムによる活性化、生じた5員環メタラサイクルのロジウム-アシル炭素間へのビニル基の挿入によって生成している。またPh_2P(CH_2)_4PPh_2を用いて反応を行ったところ、シクロブタノンの脱カルボニル化が進行し、1-イソプロペニル-2-ビニルベンゼンを93%収率で与えた。このように二座ホスフィン配位子の鎖長を変えることで全く異なる反応が選択的に進行することは興味深い。さらに、2位にオルトスチリル基を有するシクロブタノンをロジウム-トリ(o-アニシル)ホスフィン触媒存在下加熱したところ、8員環不飽和ケトンを75%収率で与えた。
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