配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
(1)ルテニウム錯体触媒による末端アルキンのヒドロシリル化反応について,触媒反応に関わるすべての素反応を特定した.また,アルケニルルテニウム中間体とヒドロシランとの反応には,炭素-ケイ素結合の形成を伴いヒドリドルテニウム錯体の発生する経路と,炭素-水素結合の形成を伴いシリルルテニウム錯体を発生する経路があり,前者はσ結合メタセシス機構によって,一方後者は,酸化的付加/還元的脱離機構によってそれぞれ進行することを,反応中間体を用いた詳細な速度論的検討によって明らかにした.さらに,これらの素反応のいずれかを選択することにより,末端アルキンから(E)-および(Z)-アルケニルシランを91-99%の選択性で作り分けることができることを見いだした.以上の知見を利用して,発光性高分子であるポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)を,主鎖のビニレン部位の幾何構造を高次に規制して合成できることを示した. (2)1,2-ジアリール-3,4-ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルホスフイニデン)シクロブテン配位子(DPCB)をもつメチルパラジウムおよび白金トリフラート錯体とヒドロシランとの反応により[MH (OTf)(DPCB)]型錯体を定量的に発生できることを見いだした。また、この錯体が高い酸性度を示し,ジエンのヒドロアミノ化反応,ケトンの脱水素シリル化反応,ならびにアリルアルコールの直接変換反応に対して高い触媒活性を示すことを明らかにした. (3)種々のシリル白金錯体を用いて炭素-ケイ素還元的脱離反応およびアルキン挿入反応について系統的な検討を行い,シリル錯体が有機白金錯体と比べてはるかに高い反応性を示すことを明らかにした.
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