研究課題/領域番号 |
12450370
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
青井 啓悟 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30222467)
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研究分担者 |
岡田 鉦彦 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20023103)
野村 信嘉 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (70291408)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | マルチプルデンドリマー / リビング重合 / シュガーボール / デンドリマー / 分子認識 / 糖鎖高分子 / 生医学材料 / ナノ材料 |
研究概要 |
糖質の有する分子認識・情報伝達機能を最大限に発揮する機能性デンドリマーとして、「メゾスコピックな精密分子構築」による高い環境応答性能を有する新しい巨大分子の合成を行った。 64末端型ポリ(トリメチレンイミン)デンドリマーの末端アミノ基から、サルコシンN-カルボキン無水物(NCA)のリビング重合を行い、ポリサルコンン鎖が放射状に突起した星型デンドリマーを合成した。さらに、このリビング重合鎖の活性末端からポリ(アミドアミン)デンドリマー分岐鎖(サラウンドデンドリマー)を伸長することにより、マルチプルデンドリマーを合成した。 デンドリマーへの低分子化合物のカプセル化を検討した。カプセル化の溶媒は、経皮ドラッグデリバリーにも使われるDMSOを用いた。DMSO中ではデンドリマーを十分に伸長させた状態で、糖を導入することができるため、内部にゲスト分子を効率よくカプセル化することができた。ゲスト分子の添加量を変化させて、カプセル化効率の最適化を行った。 星型デンドリマーへの低分子ゲスト(色素ローズベンガル)のローディングを検討した。紫外可視分光光度計を用いて、ゲスト分子の封入量を定量した。また、相間移動挙動も解析したところ、デンドリマーが動的な環境応答性を示し新しい相間輸送媒体として機能することがわかった。 マルチプルデンドリマーの細胞認識能を、レクチンを用いた赤血球凝集阻害試験などにより評価した結果、糖鎖間隔が制御されているためにきわめて高い細胞認識能が認められた。また、プラスミドDNAとの複合体形成を電気泳動、CD測定などにより解析した。その結果、メゾスコピックな分子サイズを有するマルチプルデンドリマーは優れた遺伝子キャリアーとして利用できることが確認できた。 ポリリシンを核とするポリ(アミドアミン)デンドリマーからさらなるポリペプチド伸長を行ったメゾスコピックデンドリマーとDNAとの複合化を行った。トリプル(差圧粘度/屈折/光散乱)検出器を備えたGPC測定により、デンドリマーの分子サイズと形状を評価した。興味深いことに、ポリ(アミドアミン)部分の分岐度が低いポリマーでも、Mark-Houwink-Sakuradaプロットのべき数が、世代の上昇につれて低下する現象が見出された。これは、世代上昇につれて、ポリマーの粘度が低下し、よりコンパクトな分子として振る舞うことを示唆している。このことは、デンドリマーならではの特徴として、機能化への鍵となる。トリプル検出器は、オンライン粘度測定、屈折率測定と光散乱測定が同時にできるため多分岐高分子の評価に最適であり、分子形状に関する貴重な情報が得られた。
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