研究課題/領域番号 |
12450375
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 (2002) 九州大学 (2000-2001) |
研究代表者 |
前田 瑞夫 理化学研究所, バイオ工学研究室, 主任研究員 (10165657)
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研究分担者 |
宝田 徹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30336010)
村田 正治 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30304744)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | ポリマーミセル / DNA / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド / 遺伝子診断 / 一塩基変異 / SNP / ナノ粒子 / ガン原遺伝子 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 塩析 / コロイド分散液 |
研究概要 |
本研究では、遺伝子の一塩基変異を迅速に目視識別できる測定システムの構築を行った。 1.ポリマーミセルの簡易合成法の開発 ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)の疎水核表面に9量体のDNAがコロナ状に担持されたポリマーミセルの簡便な合成法を確立した。まず、5'末端をメタクリロイル基で修飾したDNAを化学合成し、これをN-イソプロピルアクリルアミドとラジカル共重合して、グラフト型共重合体を得た。さらに、この共重合体の水溶液を相転移温度以上に加熱すると、平均粒径がナノメートル・サイズのポリマーミセルが自発的に形成されることを見出した。 2.短鎖DNAの一塩基変異識別 ポリマーミセル分散液に9量体のサンプルDNAを添加すると、ミセル表面に担持したDNAと相補的な配列(正常型)の場合はミセルが迅速に凝集して白濁するが、一塩基だけ欠損、挿入または置換した変異型配列の場合は無色透明のままである、という測定システムを開発した。その際、ミセル分散液にあらかじめ加えておく塩の種類と濃度の最適化が重要である。 3.ポリマーミセルの凝集機構 ミセル表面でDNAが二重鎖を形成すると、塩に対する安定性が著しく低下することが本測定法の基本原理である。その凝集機構が、(1)二重鎖形成によるDNAリン酸間距離の短縮、(2)ミセル表面上での負電荷密度の増大、(3)金属イオンとのイオン対形成による電荷中和、(4)ミセル間の静電反発の緩和、であることを明らかにした。 4.長鎖DNAの一塩基変異識別 凝集機構に基づいて、補助DNAを追加した新しい測定システムを設計した。その結果、適用可能なサンプルDNAの鎖長範囲を9量体から39量体にまで拡張することに成功した。PCR法によって増幅可能な鎖長のサンプルDNAにおける一塩基変異を目視検出できたことより、今後、実際の遺伝子診断に応用されることが期待できる。
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