配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
|
研究概要 |
本研究は超音速燃焼技術で最も重要な課題の一つである火炎を安定に保持するために有効な方法を探ることを大きな目標として行われ,あわせてラム加速器がそのような研究に有効な装置であることを示そうとした。ラム加速器を我々は火炎と衝撃波・境界層などとの干渉のような基礎的研究をするための装置と位置づけて開発した。大きな加速を狙う諸外国の装置と違って,管内の圧力を高くする必要がなく,光学計測できるようガラス窓を設け,矩形断面の管を用いて,2次元的な現象として調べられるようにした。光学的計測器を本補助金で一つ導入することができ,ついに世界で初めて超音速流中での火炎を写真撮影できた。 光学的計測によって超音速流中での燃焼場の様子が明らかにされた。ジェットエンジンのディフューザーの役割を果たす飛翔体のくさびの角度,燃焼室に対応する飛翔体側部の形状,あるいは境界層の厚さの影響など保炎特性が調べられた。バックステップが最も強力な保炎器として作用することも明らかにされた。また火炎前面には必ず衝撃波が形成され,衝撃波,境界層及び火炎の干渉が重要であることがわかった。ラム加速器を作動させやすい混合気としてメタン/酸素/二酸化炭素系が用いられた。数値シミュレーションにおいてもこの混合気系の詳細反応を考えた計算プログラムを開発し,実験結果と対応した計算を行うことができるようにした。実用性からメタン/空気系混合気での実験もスタートさせることができた。 燃焼流ではデトネーション速度(CJ速度)を境に現象が大きく変化するが,本研究課題としてはCJ速度以下について調べることとしていた。しかし,高速燃焼の実験と数値シミュレーションは発展的に,デトネーションモードの推進システムとしてパルス・デトネーション・エンジンの研究の入り口にまで一歩進めることができた。
|