配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
主としてイネ,トマト,マメ科作物における根の成長と機能をShoot-Root Relationの観点から検討を加えた。またイネの分げつにおける物質動態を調べた。13Cをトレーサーとした解析の結果,イネの節根の伸長速度と光合成同化産物の分配との間に密接な相互関係を認めた。また球茎とムカゴの2つのシンクを有するカラスビシャクでは光条件に対応して両者のシンクへの分配が動的に変化することがわかった。さらにイネの分げつにおける物質動態を13Cと15Nを用いて調べた結果,無効分げつに含まれる炭素と窒素は分げつの枯死後に有効茎に再転流することが示された。トマトでは湿気中および水中で成長する根はその形態と生理的特性が異なることをフラクタルによる形態解析,根の内部構造および根の呼吸・養分吸収作用により示した。湿気中根では光合成同化産物の分配が多く,温度ストレス耐性が高いことがわかった。マメ科作物では種子根軸に沿った根圏pHの傾斜が認められ,とくに硝酸培地条件において根端からやや基部よりの部位において根圏の酸性化が生じた。またこれは地上部の光環境に敏感に反応し,光合成阻害剤によって認められなくなった。またある種のプロトンポンプ阻害剤により根圏の酸性化が抑止された。以上より地上部の光合成作用と通じて根圏のpHが制御されている可能性が示された。
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