研究課題/領域番号 |
12460010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯嶋 盛雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60252277)
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研究分担者 |
森田 茂紀 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00143404)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 境界細胞 / 国際情報交換 / 根冠 / 成長圧 / 脱落細胞 / 土壌の機械的抵抗 / 粘液分泌 / Border cell / トウモロコシ / ストレス耐性 |
研究概要 |
本研究では、根冠脱落細胞(Border cell;境界細胞)が土壌と根の界面に存在しクッションのような緩衝帯様の働きをするという仮説に着目した。すなわち、Border cellが担う生態的役割の一つとして、土壌と根の界面に生ずる摩擦抵抗は、根冠由来のBorder cellによって減少することを多面的に実証することを目的とした。 研究初年度には、日本側研究者3名が連合王国に出張し、海外研究協力者とともに実験を行った。2年目には、海外共同研究者1名が来日し、日本側研究者とともに研究に関する打ち合わせと研究討論を行った。さらに最終年度には、研究代表者がスコットランド作物研究所を短期間訪問し、海外共同研究者とともに研究打ち合わせを行い、これまでの成果の取りまとめと将来の課題について議論した。 研究成果の要約は以下の通りである。1)トウモロコシ種子根の根冠は土壌の抵抗を減少させる働きを持つことを初めて直接的に証明した。実験に用いた土壌条件下では、抵抗の約40%を減少させる働きを持っていた。これは根冠から分泌される粘液とBorder cellの両者の働きによるものと推定できる。2)根冠の存在によって減少した土壌の抵抗のうち、粘液により46%、境界細胞により54%の抵抗が減少することを明らかにした。3)境界細胞はトウモロコシでは単一の細胞ごとにイネでは層状に剥離脱落することを確かめた。このことは根圏土壌中での、境界細胞の存在形態が種間で異なることを示唆した。4)境界細胞を、粘土粒子を含む壌質砂土から分離する手法を考案した。壌質砂土で成育したトウモロコシでは、乾燥条件下において放出される境界細胞数は減少することを明らかにした。以上の結果は、境界細胞の根圏土壌中における生態的役割を明らかにしていくうえでのパイオニア的研究の一つと考える。
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