配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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研究概要 |
CAM型光合成の昼間のCO2交換抑制(phase 3)が低酸素処理により消失する現象は,CAM型光合成における脱カルボキシル化型(PCK型,ME型)によりグループ化できなかった.Phase3が消失する酸素濃度から,CAM型光合成の低酸素感受性にミトコンドリアのシアン耐性呼吸が関与することが示唆されたが,低酸素感受性を示さないパインアップルにおいてもphase 3にミトコンドリアのシアン耐性呼吸活性が上昇することが観察され,CAM型光合成のphase 3の消失はミトコンドリアのシアン耐性呼吸から単純に説明できる現象ではないことが示唆された.低酸素感受性を示さないパインアップル葉からパーコール密度勾配で純化したミトコンドリアにおいて,ミトコンドリア内膜のリンゴ酸/オキザロ酢酸シャトルを機能させる条件においてのみリンゴ酸がミトコンドリアに取り込まれることが明らかになった.このことは,CAMのphase 3のリンゴ酸の脱カルボキシル化がパインアップルのミトコンドリアでは生じていないことを示していた.さらに,パインアップルのミトコンドリアで生じるリンゴ酸のオキザロ酢酸への転換は,パインアップルのCAM・phase 3のPEPカルボキシキナーゼを用いた脱炭酸反応へのオキザロ酢酸基質の補充経路として機能していることが示唆された.また,CAM型光合成の低酸素感受性は昼間のリンゴ酸の脱カルボキシル化にミトコンドリアのリンゴ酸酵素が密接に関り,脱カルボキシル化の結果生じるNADHの処理にミトコンドリア・シアン耐性呼吸が関わるときに生じるものと考えられる.
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