配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
|
研究概要 |
火山活動や河川に由来する地表変動跡地を主な対象として,地表変動様式,物理的・化学的土地条件,植生回復の実態,侵入樹木の成長解析,菌根菌など生物的条件を把握し,樹木の侵入・定着・成長にとって制限的に働くストレス要因の抽出と対応する種特性を検討した。また抽出されたストレス要因と樹木の反応および菌根菌の機能を検証することで,複雑な系である根圏相互作用システムの理解と応用に資する研究を目指した。 主な研究対象地は,火山性攪乱地として2000年に噴火した有珠山火口周辺,河川に由来する攪乱地として札内川砂礫堆,さらに2003年の豪雨で斜面崩壊などが生じた日高地方の河川上流域とし,それぞれの攪乱様式と裸地特性の把握に努めた。 植生の特性については有珠山噴火跡地と河川砂礫堆を中心に,植物の侵入・定着実態を精査し,それらと菌根菌との関わりを検討した。いずれも,これまでに報告例が少ない貴重な資料を得て,有珠山の植生に関わる樹木および草本類の役割と外生菌根,アーバスキュラ菌根の共生,河畔に普遍的なオノエヤナギと外生菌根共生の季節変動,分子生物学の手法による菌種の同定など,いくつかの大きな成果を見たが,菌根の機能的解析は今後の課題となった。一方でケショウヤナギを中心とする更新地で実生時の成長特性や群落生態を明らかにし,砂礫堆では手法的に難しかった養分動態を把握する試みも成果を得た。養分環境,水分などの物理的環境,それに菌根菌の機能を併せて,河畔攪乱域の生態解明に大きく前進できたと考えている。 また,根圏の相互作用システムを緑化技術へ応用して行くために,必要とされる種苗培地条件の検討や半解放条件での外生菌根合成にも成功し,今後に向けての技術的手がかりを得た。
|