研究課題/領域番号 |
12460085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
坂本 崇 東京水産大学, 水産学部, 助手 (40313390)
吉崎 悟朗 東京水産大学, 水産学部, 助手 (70281003)
山下 倫明 東京水産大学, 水産学部, 助教授
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 性分化 / アポトーシス / 性特異的マーカー / 生殖細胞特異的マーカー / 魚類 / ステロイドホルモン / ペヘレイ / ゼブラフィッシュ / AFLP / GnRH / ニジマス |
研究概要 |
アポトーシスは、生体内の様々な組織、特に免疫細胞の分化、指肢形成、変態など発生・分化に関わることや環境要因の強いストレスによって不可逆的に変性した細胞を選択的に除去し、正常組織の保護と生命の維持を制御するものと推定されている。これらのことから、アポトーシスは魚類の性分化過程ならびに高温などのストレスによる性転換と生殖細胞の退行変性に重要な役割を果たすものと考えられる。本研究は、それらの現象におけるアポトーシスの役割とアポトーシス誘導の生化学・分子機構を調べるとともに性特異的マーカーおよび生殖細胞特異的マーカーの開発を行った。まず、ゼブラフィッシュのオスの性分化過程における卵母細胞の消失が、アポトーシスの誘発により生じることが明らかとなった。温度依存型性決定機構を示すペヘレイでは、雌のみ発生する低水温(17℃)では性分化時の後までに生殖細胞のアポトーシスが認められなかったのに対して、高水温(25と29℃)で異常細胞が温度に比例して増えることが分かった。一方、アポトーシスの分子機構については、ゼブラフィッシュおよびヒラメ胚を用いて、ストレス処理およびアポトーシス誘導剤C2セラミドの投与によるアポトーシス誘導を観察した。胚のTUNEL染色およびカスパーゼ活性によってアポトーシスの高感度検出が可能であった。また、魚類細胞の主要なアポトーシス実行分子カスパーゼをクローン化した。さらに、生殖腺のアポトーシス誘導に関わっていると推察される脳の生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、脳下垂体の生殖腺刺激ホルモン(GtH)と生殖腺のステロイドホルモン(エストロゲン)の性分化時における分泌の可能性について調べた。その結果、GnRH、GtH1とGtH2はペヘレイの性分化時に先だって分泌が始まり、また、分泌量が温度依存性を示したことから、性分化との関連が示唆された。さらに、アロマターゼ遺伝子とエストロゲンレセプター(ER)α・βの遺伝子の構造解析を行い、性分化時における遺伝子の発現量を調べた。最後に、ニジマスおよびペヘレイにおいて性特異的DNAマーカー(マイクロサテライトマーカーおよびAFLPマーカー)、そして、ニジマスとヨーロッパヘダイにおいて生殖細胞特異的マーカー(vasa mRNA)の開発に成功した。
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