研究課題/領域番号 |
12460096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加賀爪 優 京都大学, 農学研究科, 教授 (20101248)
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研究分担者 |
沈 金虎 京都大学, 農学研究科, 講師 (70258664)
仙田 徹志 香川大学, 農学部, 助手 (00325325)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 中山間地域 / 環境・農業政策 / 直接支払い / 共通農業政策 / 地域農業 / 直接支払い制度 / 価格支持 / 直接払い制度 / 減反政策 / 条件不利地域 / 環境農業政策 / 地域振興 |
研究概要 |
本研究は中山間の地域振興問題に焦点を当て、直接支払い制度の実態と問題点について、愛媛、高知、兵庫等を中心に調査した。その際、EUの条件不利地域における環境保全型農林業対策としての直接支払い制度および中国の中山間地域対策と比較した。EUの直接支払い制度は、個別農場への交付が基本であり、その中身は1992年のマクシャリー改革の政策的支持価格削減に伴って生じた所得減を相殺する部分と生産費の面での条件的不利性を補填する部分からなる。一方、日本の場合は関税化受入れ以降の価格低下を補填する部分の効果は十分でないまま、生産費面における不利性の補填に偏っていること、さらに生産調整政策との整合性が取れていないため、農業生産の維持という目標が中途半端になっていることを解明した。また交付金の配分上で共同活動に対する集落プール分についても農家個人に課税されることが参加率を低めている点を指摘した。 集落協定への参加率に関して、協定数とその増加率ではかなりの成果を挙げているものの、協定面積でみた協定締結率は未だ7〜8割に留まっているが、これには高齢化・過疎化の著しい地域で5年間も農業生産を維持できないという事情があり、参加率の向上のためには行政や農協の支援が望まれること、多くの地域で耕作放棄防止や農業生産維持への貢献は或る程度見られるが、多面的機能の増進への貢献は微弱であることを指摘した。 中国の条件不利地域対策は始まったばかりで、「退耕還林」政策は農家に直接所得補償を行う最初の例である。その目的は環境悪化を食い止めることにあるが、森林回復が速く、果樹林業が可能な長江上流では効果が期待できるものの、そうでない西北乾燥地域では短期的に効果が期待できない。環境対策としても中山間地域での植林や退耕還林に偏っており、草原地域の生態環境の改善に資する家畜頭数削減への政策援助が不十分などの問題点を明らかにした。
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