研究課題/領域番号 |
12470001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岡部 繁男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60204012)
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研究分担者 |
井上 明宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80322080)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | シナプス / 海馬 / 蛍光顕微鏡法 / 樹状突起 / 神経培養 / green fluorescent protein(GFP) / intracellular calcium |
研究概要 |
培養海馬神経細胞では、培養後10〜20日の間に興奮性シナプスが樹状突起のshaftからspineへと変化する。この時期には活発な樹状突起上のspine(棘突起)でのシナプス形成が起こると考えられ、シナプス構造の形成過程を解析する良いモデルシステムになると考えられる。複数のシナプス後肥厚部(PSD)に局在する蛋白質の動態を解析する為に、PSD-95、PSD-Zip45(Homer 1c)、synaptophysin分子それぞれにGFP分子を結合した蛍光プローブ分子を作成した。まずPSD-95を用いて、spine形成およびシナプス前部マーカーであるsynaptophysinとのシナプス形成過程における時間関係について解析し、PSDの形成、spineの形成、シナプス前部の形成の三つの過程が非常に短い時間内に同期して起こる事を見いだした。更にPSD-95とPSD-Zip45について、それぞれの蛋白質の神経細胞でのカルシウム濃度の上昇による局在変化を観察した所、PSD-Zip45はカルシウム濃度の上昇に伴ってその局在が二方向性に変化するのに対して、PSD-95分子の場合はそのような活動依存的な変化が見られず、分子種特異的な動態制御機構が存在する事が明かになった。また安定にGFP融合分子の発現が制御できるトランスジェニックマウスの系を用いて1週間以上に亘るPSD-95分子およびPSD-Zip45分子の神経細胞における分布変化を解析した。これらの分子の配置は、cAMP依存的な神経細胞全体に働くシグナル系によって制御されている事が明かになった。 以上の研究からこれまで全く知られていなかったシナプス後部構造を形成する分子の動態が明かとなり、これらの分子の配置が複雑な神経活動依存的なシグナル系によって制御されている事が明らかになった。
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