研究課題/領域番号 |
12470057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
米満 吉和 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (40315065)
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研究分担者 |
中島 豊 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50135349)
續 輝久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40155429)
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
中川 和憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50217668)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2000年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | ヒトサイトメガロウイルス / 血管炎 / 血管新生 / 動脈硬化 / 炎症性腹部大動脈瘤 / 前初期遺伝子 |
研究概要 |
1.ヒトサイトメガロウイルス前初期遺伝子(CMV-IE)を血管壁特異的に発現するトランスジェニックマウス(TG)の構築:まずCMV-IEのcDNAをIE-1、IE-2をそれぞれ実験室株(AD169)より分離、クローン化し、マウスプレ・プロエンドセリン-1プロモーターにそれぞれを連結したコンストラクトを作成し(pEP-IE1、pEP-IE2)、挿入部位の塩基配列をDNAsequencerで確認した。マウス胚へのマイクロインジェクションをそれぞれ300個以上行い、C57BL/6Jマウスの子宮内に戻し、それぞれ30頭以上の産仔を得た。断尾したサンプルからゲノムDNAを採取し、IE1およびIE2の配列に特異的なプライマーを用いてPCRスクリーニングを行った。その結果、1E-1には2個体(雄:2頭、雌:0頭)、IE-2には7個体(雄:4頭・雌:3頭)が陽性であった。PCRによるゲノムスクリーニングにより、遺伝子導入が確認されているF1世代の個体の一部(IE-1:2系統、IE-2:1系統)について、全身臓器に対しRT-PCRにてmRNA発現を確認した。現時点で20週までは明らかなフェノタイブの変化は観察していない。またこれらの個体の全身臓器をホルマリン固定、パラフィンブロックにした後、ヘマトキシリン・エオジン染色を行ったが、肺に軽度の線維化を認める以外に明らかな組織学的変化を認めていない。 2.組換えウイルスによる病的血管新生の分子病態に関する解析:病的血管新生における各種血管新生因子の役割の解析について、今回の我々の成績は従来の通説と比較すると意外なものであった。つまり血管新生過程において組換えウイルスにより発現させた外来性血管新生因子のみならず、内因性の血管新生因子の発現の挙動が極めて重要であり、単一遺伝子を発現させるだけでは血流を回復させる効果的な血管新生を誘発することは容易ではないということである。さらにVEGFやHGFに対する中和抗体FGF-2の血流回復効果を遮断できることが明らかになっていることから、「機能的」血管新生には複数の血管新生因子の協調的連動が重要であり、それらのバランスが崩れることにより「病的」血管新生を誘発するという仮設が想定される。さらに各血管新生因子は、各々が血管新生過程の重要なパートを担っており、それらのいずれかが活性低下すると血管新生因子による治療効果に歪みが出て来ると考えられる.
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