研究課題/領域番号 |
12470079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
藤田 禎三 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20134223)
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研究分担者 |
高橋 実 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00285024)
松下 操 東海大学, 工学部, 教授 (00165812)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | フィコリン / レクチン / 生体防御 / 補体 / レクチン経路 / ジーンターゲッティング / MASP / 分子進化 / 自然免疫 / 遺伝子改変マウス |
研究概要 |
自然免疫は自己と非自己を区別するという多細胞生物に共通する反応である。自然免疫による生体防御反応は、感染微生物表面のリポ多糖やペプチドグリカンなどが作り出す一定の分子パターンを認識することにより開始される。パターン認識蛋白として働く生体防御レクチンには、マンノース結合レクチン(MBL)などのコレクチンファミリーと近年発見されたフィコリンが知られている。本研究では、血清レクチンであるL-フィコリンとH-フィコリンが、MBLと同様にセリンプロテアーゼMASPと複合体を形成して存在し、レクチン経路の認識分子として働くことを明らかにした。また、レフィコリンがグラム陽性細菌の細胞壁成分の1つであるリポテイコ酸(LTA)やカビ類の細胞成分である1,3-β-D-グルカンに結合し、補体レクチン経路を介して補体を活性化することを明らかにした。一連の成果は、フィコリンが特異的に微生物表面の糖鎖を認識し、補体レクチン経路を介して異物の除去に働くという自然免疫機構の分子基盤の1つを明らかにした。また、本研究ではフィコリンA欠損マウスを作成し、その表現型の解析を進めている。先に作成したMASP-1/3欠損マウスの表現型は、レクチン経路の初動が遅延していること、MASP1がMASP2の活性化にも関与していること、インフルエンザウィルスに易感染性であることなどを明らかにした。さらに、獲得免疫を持たないとされる脊椎動物・円ロ類以下の原始的な動物について生体防御の分子機序とフィコリンの系統発生学的な解析を行うため、両生類のゼノパスおよび無脊椎動物・原索動物であるマボヤからフィコリン様分子を単離した。その構造と機能を解析し、フィコリン、MASPおよび補体系の中心成分であるC3からなる原始的な補体レクチン経路の分子基盤を明らかにした。
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