研究課題/領域番号 |
12470084
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
川西 正祐 三重大学, 医学部, 教授 (10025637)
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研究分担者 |
平工 雄介 三重大学, 医学部, 助手 (30324510)
及川 伸二 三重大学, 医学部, 講師 (10277006)
村田 真理子 三重大学, 医学部, 講師 (10171141)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 塩基配列特異的DNA損傷 / 発がん / 老化 / 紫外線 / がん化学予防 / 活性酸素 / 抗酸化剤 / 酸化促進作用 / テロメア / がん化学予防物質 |
研究概要 |
本研究において環境因子、特に環境化学物質や食品成分およびその代謝物、食品添加物、紫外線(UVA)等と生体内物質(微量金属や還元物質、光増感物質)の共存下において生成される各種活性酸素種による塩基配列特異的DNA損傷について単離DNAや培養細胞等を用いて総合的に解析を行い、遺伝子上のどの配列部位に損傷が生じやすいのかを詳細に解明した。また、化学予防物質の有効性と安全性の評価も行った。我々は本研究において以下の諸点を明らかにした。 (1)発がんにおける塩基配列特異的DNA損傷の役割 発がん性大気汚染物質ベンゾ[a]ピレンの代謝物が、p53がん抑制遺伝子のホットスポットcodon 273の相補的配列5'-ACG-3'のCとGの2塩基を連続して強く損傷するという非常に興味深い知見を得た。また、DMA付加体の形成で説明されてきた多環芳香族アミノ化合物の発がん性に酸化的DNA損傷も重要な役割を果たしうる新たな可能性を示した。その他、環境化学物質や有機溶剤、殺虫剤、医薬品、食品成分等が活性酸素を生成し塩基配列特異的にDNAを損傷することを認めた。さらに、UVAが光増感物質(葉酸や医薬品等)の存在下で、連続したG配列を酸化することを認めた。 (2)老化における塩基配列特異的DNA損傷の役割 我々は、UVA照射や酸化ストレスにより、テロメア繰り返し配列中の5'-GGG-3'配列に特異的に8-oxodGが生成することを初めて報告した。さらに、UVA照射量に依存して、テロメア繰り返し配列の短縮促進を認めた。 (3)化学予防物質の有効性と安全性の評価 ポリフェノール類やフフボノイド類等の安全性についてDNA損傷性を指標に検討を行った結果、酸化促進作用を有する安全性に問題のある物質が存在することが認められた。一方、フィチン酸等は、酸化促進作用を示さないことから安全で有効ながん化学予防物質になりうると考えられる。
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