研究課題/領域番号 |
12470120
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
一瀬 雅夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50143425)
|
研究分担者 |
北内 信太郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80305747)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 消化管上皮組織 / 細胞外基質 / マトリックスメタロプロテアーゼ / CELL MOTILITY |
研究概要 |
HGF、KGFなど間質細胞由来の増殖因子が消化管上皮細胞の増殖、運動にあたえる影響について、ECISを用いて検討した。初代培養系における胎児胃上皮組織の増殖、運動は、HGF、KGFあるいはEGFなどにより強く促進された。細胞外基質との組み合わせでは、特にコラーゲンゲル上でその作用が強く発揮された。同時に、各細胞外基質上におけるHGFおよびEGF受容体のリン酸化を検討した所、増殖因子刺激下で生じるリン酸化の程度が各基質上で異なる事、コラーゲンゲル上で生じるリン酸化の程度が他の細胞外基質上で生じるリン酸化の程度より強い事が明らかになった。これらの増殖因子の増殖、運動調節作用じ対する消化管上皮の反応性を細胞外基質が同受容体の燐酸化を調節する事により制御している事が示唆された。また、前年度までの研究で消化管の腺管形成過程は、細胞外基質による上皮組織でのMMP2の産生調節に増殖因子が加わりた複雑なシステムである事が明らかになっているが、HGFおよびEGF刺激下における胎児胃上皮細胞でのMMP2の産生を無血清上皮単独初代培養系および器官培養系を用いて検討した。その結果、これらの増殖因子は、in vitroの実験系においてMMP2の上皮および間質での産生を増加させた。この作用は、細胞外基質としてtypeIコラーゲン、コラーゲンゲルを用いた場合強く、typeIVコラーゲン、ラミニンでは弱い傾向にあった。胃をはじめとする消化管の腺管形成過程では、液性増殖因子および細胞外基質により産生調節を受けるMMP2が主導的役割を果たして進められる過程であると考えられた。さらに、細胞外基質による胃上皮細胞の形態、機能制御についてシグナル伝達系に注目して検討を行った。特に上皮細胞の運勲調節に関与するシグナル伝達系、Rac、rhoなどのsmall GTP-binding Protein(G-protein)を検討しているが、これらの因子の発現量、細胞内局在に、発生成長の時期、細胞外基質などによる大きな差異は認められなかった。また、電気穿孔法、あるいはレトロウイルスベクターを用いて各種の癌遺伝子を胃上皮組織のみに導入後、間質と再構成実験を行い、胃上皮組織の増殖、運動、形態形成に注目して検討した。この際、MEK(mitogen-activated protein kinase kinase)の恒常的活性化変異体の導入により胃上皮細胞の運動亢進、間質への進入、浸潤が認められた。このためMap-kiase(erk-1、2)の発現量、局在、活性(増殖因子による刺激の有無)についても細胞外基質による変動を検討をしているが、現在までの所、差異は認められていない。
|