研究課題/領域番号 |
12470138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山口 佳寿博 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30129712)
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研究分担者 |
伊藤 洋子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90286451)
小山田 吉孝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00233627)
仲村 秀俊 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00217879)
峰松 直人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20296578)
舘野 博喜 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50286473)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 肺気腫 / 喫煙 / 胸部CT / MMP-9 / cathepsin S / systatin C / CYP2A6 / cystatin C / MMP-1 / TIMP-2 / 肺機能 / Cathepsin S / HRCT / 経年変化 |
研究概要 |
COPDは閉塞性換気障害により定義づけられているが、気腫性変化、気道における過分泌、気管支壁の線維化、肺血管のリモデリングなど、種々の病態が重なりあって機能障害を呈すると考えられており、それぞれの病態に別々の遺伝子多型が関連している可能性がある。本研究では日本人COPD患者の肺病変、特に気腫性変化の進行に関与する遺伝的因子を検討するために、1秒量のみでなく、肺拡散能、Low attenuation area (LAA)スコア、肺動脈径などを測定するとともに、COPDの最大の原因であるタバコへの暴露について、可能な限り定量的な評価を行った。本研究の結果、LAAスコアにより評価される気腫性病変の進行には、マクロファージ由来のプロテアーゼであるMMP-9とCathepsin Sが関与することが示された。MMP-1,TIMP-2の多型は気腫性変化に有意な影響を及ぼさなかった。一方、ニコチン代謝、前癌物質の活性化などの作用が知られているCYP2A6の全欠損型多型もLAAスコアと関連していた。さらにCathepsin Sの主なインヒビターであるCystatin Cの遺伝子多型は肺動脈径と関連しており、肺循環系のリモデリングへの関与が示唆された。ニコチン代謝酵素CYP2A6の全欠損型多型の検討では、この多型が日本人喫煙者の喫煙習慣を規定しており、ニコチン置換剤の投与法の変更を含め、禁煙指導に際し是非調べられるべき遺伝子多型であることが明らかとなった。喫煙者に対するCYP2A6を含めた遺伝子解析は、禁煙指導のあり方と有効性に画期的な改善をもたらし、COPD患者数の減少に寄与する可能性がある。また、多彩なCOPDの表現型に対する個々の遺伝子の役割が明らかになれば、明確な病因の理解とそれに基づく治療法の開発に役立つと考えられる。
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