研究課題/領域番号 |
12470142
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 潤一 九州大学, 大学院・医学(系)研究科(研究院), 教授 (40183305)
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研究分担者 |
村井 弘之 九州大学, 大学院・医学(系)研究科(研究院), 助手 (80325464)
松下 祥 熊本大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50167649)
古江 増隆 九州大学, 大学院・医学(系)研究科(研究院), 教授 (70134583)
小副川 学 九州大学, 大学院・医学(系)研究科(研究院), 非常勤研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2001年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2000年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | アトピー性脊髄炎 / アトピー性皮膚炎 / 気道アレルギー / 好酸球 / Eosinophil cationic protein / CD8陽性T細胞 / 視神経脊髄型多発性硬化症 / DPB1^*0501 / 運動ニューロン / Th2 / eotaxin / RANTES / EDN / ECP |
研究概要 |
1)先行するアトピー性疾患による病像の差異の検討 全国疫学調査より集積された85症例について、先行するアトピー性疾患と臨床症状、脊髄障害パターンを検討した。アトピー性皮膚炎が先行する群では有意に女性が多く、また発症年齢が若かった。アトピー性皮膚炎あるいは気道アレルギーが先行する群ではその他のアトピー疾患が先行する群と比べて、有意に頸髄病変が多く、また膀胱直腸障害が少なかった。 2)好酸球性脊髄炎生検例における活性化好酸球産物の免疫組織学的検討 全国疫学調査にて得られた好酸球性脊髄炎5例の浸潤リンパ球サブセットとeosinophil cationic protein (ECP)の免疫組織化学的検索を行った。5例全例T細胞優位の細胞浸潤を認め、検索し得た3例はいずれもCD8陽性T細胞優位であった。さらに検索し得た4例中3例で活性化好酸球産物であるECPが陽性であった。 3)疾患感受性遺伝子の検討 視神経脊髄型およびそれ以外の通常型多発性硬化症の疾患感受性遺伝子(それぞれDPB1^*0501、DRB1^*1501)について、アトピー性脊髄炎での保有率を検討したが、健常対照に比しいずれも有意差を認めなかった。 4)治療成績 アトピー性脊髄炎30例を対象に、各種免疫療法を施行し有効性を比較検討した。副腎皮質ステロイド剤は2/3の症例で無効であったが、血漿交換療法は80%の症例に有効で(効果持続平均約50日)、効果が減弱した場合、後療法として大量免疫グロブリン静注療法が80%の症例で有効であった(効果持続平均約60日)。 以上より、アトピー性疾患を背景に発症する脊髄炎は、背景となるアトピー素因がその発症機序に関与していると考えられる。またこのタイプの脊髄炎は、臨床症状、免疫遺伝学的背景、治療効果の面でも多発性硬化症とは異なる疾患と考えられる。今後はモデルマウスの作成、解析による発症機序の解明が重要である。
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