研究課題/領域番号 |
12470152
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中野 赳 三重大学, 医学部, 教授 (60111879)
|
研究分担者 |
鈴木 昇 三重大学, 生命科学研究支援センター, 助教授 (00202135)
伊藤 正明 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00223181)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
|
キーワード | ミオシンホスファターゼ / MYPT1 / MYPT2 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 心筋ミオシンリン酸化 / Rhoキナーゼ / Proキナーゼ |
研究概要 |
MYPTは、ミオシンホスファターゼ(MP)を構成するターゲットサブユニットで、MP活性の発現や調節、細胞内局在など、MP機能発現に重要な分子である。MYPTは、タイプ1ホスファターゼ触媒サブユニットPP1cδや、もう一つの調節サブユニット(M20)と結合する以外に、RhoやGキナーゼとも結合し、アンカー蛋白質として機能している。MYPT1(平滑筋をはじめ多くの組織で発現)のノックアウトマウスと、MYPT2(心筋・脳に発現)の心筋特異的トランスジェニックマウスを作製し、これらの解析を行った。 MYPT1ノックアウトマウスホモ接合体は胎生致死であり、胎仔を検討できた7.5dpc以降においてホモ接合体の存在が確認できないため、7.5dpc以前の早期に胎生致死となることが明らかになった。MYPT1ノックアウトマウスのヘテロ接合体の大動脈、肺や腎におけるMYPT1の発現量は、野生型マウスと変化なく、ヘテロマウスにはフェノタイプの異常も認められなかった。 MYPT2を心筋特異的に発現させたトランスジェニックマウス(Tg)を作製した。心筋においてMYPT2の過剰発現が確認され、さらにMYPT2と複合体を形成するPP1cδの過剰発現も誘導され、結果として心筋MPのトランスジェニックマウスが作製された。Tgの心筋においては、野生型マウス(Wt)と比較して心筋ミオシン軽鎖のリン酸化レベルは有意に低く、過剰発現させたMYPT2が心筋ミオシンホスファターゼとして機能していることが確認された。TgはWtと比較して、体型、行動や血圧・脈拍などに異常は認められなかったが、Tgにおいて、心/体重比の増加と、心エコー検査により、左室拡張ならびに収縮終期径の拡大、駆出率ならびに短縮率の低下が認められた。以上より、心筋MP活性の上昇によるミオシンリン酸化レベル低下は、心拡大と心収縮力の低下を引き起こすことが明らかとなった。
|