研究分担者 |
緒方 勤 国立成育医療センター, 研究所, 部長 (40169173)
長谷川 奉延 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20189533)
小崎 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30234743)
勝又 規行 国立小児病院, (小児医療研究センター), 室長 (10260340)
奥山 虎之 国立小児病院, (小児医療研究センター), 室長
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
平成14年度における主たる成果は以下の通りである. 1.SHOX遺伝子内多型解析による微小欠失の検討 われわれは,SHOX半量不全の大多数が微小欠失によりものであり,遺伝子内変異が乏しいことを報告してきた.これは,SHOX解析におけるFISHの重要性を示すが,FISH解析は,限られた施設でしかできないため,一般化していない.われわれは,SHOX遺伝子内に8個の単一ヌクレオチド多型(SNP)を検出し,それが互いに連鎖不平衡の関係にないことを見いだした.このことから,DNAを用いたSNP解析により,1個でもヘテロの座位があれば微小欠失が否定され,全てがホモとして検出される場合にはほぼ100%の確率で微小欠失が示唆されることになる.このように,本年度では一般化できるSNP解析を応用したSHOX微小欠失の診断法を開発できた. 2.SHOX半量不全と正常性腺機能を有する患者における成長パターンの検討 われわれは,世界で初めて長期間にわたり,無治療で経過観察しえたSHOX欠失と正常性腺機能を有する女児の成長パターンを経験した.この女児は,思春期から明瞭となる成長障害を呈し,成長速度は初潮年齢で突然大きく低下した.また,この低身長は四肢短縮を伴ったが,頭囲や手足の長さは正常範囲であった.この計測学的成績は,ターナー症候群女児のそれに類似するが四肢短縮はより強度であり,したがって,ターナー症候群女児の成長パターンの特徴がSHOX半量不全と,性腺エストロゲン分泌不全により相対的に保存された四肢長によることを示唆する. 3.SHOX遺伝子c-DNAの単離 SHOXはマウスに存在しないため,ヒトのSHOXを導入することでSHOX遺伝子の生理作用をマウスを使って解析できる.この第1段階として,われわれは,ほぼ全長のSHOX遺伝子c-DNAを単離した.
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