研究課題/領域番号 |
12470195
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 大阪府立看護大学 (2003) 大阪大学 (2000-2002) |
研究代表者 |
西川 隆 大阪府立看護大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (60273629)
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研究分担者 |
山下 仰 日生病院, 精神神経科, 部長 (50294054)
武田 雅俊 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00179649)
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40215984)
高畑 進一 大阪府看護大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (70342219)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 統合失調症 / 幻覚 / 妄想 / MEG / PET / Stroop課題 / 語産生課題 / 情動 / 意味記憶 / 扁桃体 / 上側頭葉 / 脳機能賦活 / SPM / 注意 |
研究概要 |
統合失調症の症状の背景にある脳機構のダイナミクスを検討する目的で、広範な神経活の動員を要する注意変換課題および情動刺激の処理課題を用い、患者および健常者にMEGおよびPETによる賦活研究を行なった。 1.Stroop課題と語産生課題に関するMEG賦活研究 Stroop課題による検討では、健常者と鑑別不能型統合失調症患者に両側の背外側前頭前野に左側優位の事象関連脱同期event-related desynchronization (ERD)を認めたが、慢性の幻聴を伴った妄想型統合失調症の患者には右側の背外側前頭前野にしかERDがみられなかった。語産生課題による検討では、幻聴を有する統合失調症の患者には健常者にみられる左上側頭回のERDが認められなかった。これらの結果は、幻覚や妄想の発現が左側の前頭前野の機能低下による下位のシステムの脱抑制的な自走という解釈を支持するものかもしれない。 2.情動の処理に関するPET賦活研究 いずれも健常者に関する検討で、情動を伴うエピソード記憶課題では帯状回後部領域が特異的に賦活された。情動の反復刺激課題では、情動の馴化とともに局所賦活部位が帯状回後部領域から頭頂後頭葉の視覚連合野に移行した。条件づけられた恐怖を伴う意味記憶課題では、物品の意味に情動が付与された場合には右側扁桃体と左側上側頭回が賦活された。これらの結果は、情動体験の処理に関わる辺縁系と体験の意味的処理に関わる新皮質がある種の競合関係にあることを示唆している。患者に関する検討は事情により実施できなかったが、統合失調症にみられるいくつかの型の妄想について、概念的解釈に対する情動的判断の不均衡な優先として解釈する病態理論が提出されており、今後の病態研究に示唆を与えるものと思われる。
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