研究課題/領域番号 |
12470205
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 広島大学 (2001) 自治医科大学 (2000) |
研究代表者 |
稲葉 俊哉 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (60281292)
|
研究分担者 |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30291587)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
キーワード | サイトカイン / 造血細胞 / Bim / アポトーシス / ダイニン / LC8 / 欠損マウス / mTOR |
研究概要 |
サイトカインが造血前駆細胞の生存を維持するシステムの解明がわれわれの研究室における主たる研究テーマである。当研究費では特にBcl-2スーパーファミリーに属するBimとその調節蛋白であってダイニン軽鎖をコードする遺伝子Dlcに焦点を当てた。BimはBH3細胞死誘導因子のメンバーであるが、Bim欠損マウスでは骨髄過形成と、末梢白血球数の増加が認められ、この因子が造血系のホメオスタシスの維持に重要な役割を果たしていることが明らかになった。われわれはIL-3依存性細胞株がサイトカイン欠乏によるアポトーシスに陥る際にBimの発現が転写レベルで誘導される、逆にいえば、造血前駆細胞がサイトカインの支持の下、生存を維持できるのはBimの発現が抑制されているということを示し、サイトカイン受容体からBimのmRNA発現に至るシグナル伝達経路の詳細を検討した。その結果Bimは古典的なRas/Raf/MAPKを経る経路と、Ras/PI3-Kを介した経路の双方の経路によって独立して制御されていることが明らかになった。PI3-Kの下流は、よく知られているAkt/Bad経路は関与しておらず、mTORによるBimの発現抑制が重要な働きをしていることが明らかになった。一方Bimの機能を調節する因子としてDlcを同定されたので、発現調節とDlcによる機能調節がどのような役割分担を行っているかを検討するために、Dlcの欠損マウスの作成を開始した。この作業の過程で従来知られていたDlc1と94%のアミノ酸相同性を有する新規因子Dlc2を同定した。Dlc1と2は臓器や組織によって発現分布が異なっているが、多くの細胞では両因子が発現していた。こうした結果を得たため、両方の因子を欠損させたダブルノックアウトマウスを作成中である。
|