研究課題/領域番号 |
12470220
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
清野 佳紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80028620)
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研究分担者 |
山中 良孝 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60346442)
井上 勝 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20253023)
田中 弘之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80231413)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 軟骨無形成症 / FGFR3 / IGF-1 / Bcl-2 / stat-1 / apoptosis / PTHrP / 成長軟骨 / 線維芽細胞成長因子受容体3 / 細胞死 / IGF-I / 器官培養 / 変異FGFR3 / ATDC-5 / VPRKO / 軟骨細胞 / bcl-2 |
研究概要 |
成長軟骨の増殖分化そして細胞死にいたる過程の分子メカニズムについて、モデル疾患としての軟骨無形成症及びその関連疾患の分子病態解析を中心にin vitro及びin vivoで検討を加えた。軟骨無形成症の責任変異であるG380R、致死性骨異形成症II型の変異であるK650Eなどを有するFGFR3cDNAを株化軟骨細胞であるATDC5に強制発現させ、これら変異FGFR3の細胞の表現型に与える影響につき検討した結果、軟骨細胞の増殖抑制とApoptosisの亢進状態が明らかとなった。この増殖抑制はp21の活性化を介するものであり、ApoptosisはBcl-2の発現低下によるものであった。また、変異FGFR3はstat1の活性化、核内移行を引き起こしこれらシグナルの上流に位置することが明らかとなった。成長ホルモンによって誘導されるIGF-1はPI3Kの活性化を介しBcl-2の発現を高め細胞がapoptosisに陥ることから救出することにより、身長増加に関与していることが判明した。一方、PTHrP欠失マウスの表現型が軟骨無形成症に類似することから、この強制発現系でPTHrPの遺伝子発現を検討したところ、変異FGFR3の存在下では本遺伝子の発現量が低下していること、低下の程度は基の疾患の重症度と相関しK650Eの方がG380Rより強く抑制されていることが明らかとなった。さらに、これらin vitroの実験系にPTHやPTHrPを外来性に投与することや、遺伝子の共発現により内因性のものを増加させることにより変異FGFR3発現による細胞増殖の抑制やApoptosisの亢進状態から細胞を救出することが可能であった。このことは軟骨無形成症の成長障害に対してPTHが有効である可能性を示唆するものであり、次に変異FGFR3の軟骨特異的トランスジェニックマウスを用いその効果を骨器官培養、生体投与によって検討を加えた。骨器官培養ではPTHの添加により成長軟骨の増殖軟骨層の増加が観察され、骨の伸長効果を確認した。In vivoの検討においても良好な骨伸長を得ており、今後治療薬としての可能性か期待される。
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