研究課題/領域番号 |
12470224
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅野 知一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70242063)
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研究分担者 |
迫田 秀之 朝日生命, 成人病研究所, 研究員
穴井 元暢 朝日生命, 成人病研究所, 研究員
片桐 秀樹 東京大学, 医学部附属病院, 医員
藤城 緑 東京大学, 医学部附属病院, 医員
大西 由希子 朝日生命, 成人病研究所, 研究員
迫田 透之 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
2001年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2000年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | インスリン / 糖尿病 / Akt / PI 3-キナーゼ / インスリン抵抗性 / 糖輸送担体 / AMPキナーゼ / インスリン作用 / PI3-キナーゼ |
研究概要 |
インスリンの作用機序としては、p85/p110 PI-キナーゼの活性化が糖輸送担体の細胞膜上への移動に必須であることを証明し、その下流に位置するAktの活性型変異を過剰発現させることで、インスリン同様の糖取り込み促進がおきることを見出した。そこで、Aktをbaitに用いるyeast two hybrid法によって、結合蛋白のクローニングを行った結果、AktのC端に結合する200kDaの新規蛋白(p200)を同定することに成功した。このAkt結合蛋白p200は筋肉にも豊富に発現しており、糖輸送担体の細胞内分布に重要な役割を果たしている可能性が十分に考えられる。 また、インスリンの作用の発現にはIRS蛋白にPI 3-キナーゼが結合することが極めて重要なため、その反応を可視化できるシステムの構築を東京大学理学部のグループと共同で開発した。その結果、IRS-1蛋白とPI 3-キナーゼに蛍光発色の蛋白をfusionさせ、両者の蛋白が結合するとFRET反応によって蛍光が発するという画期的なシステムが構築された。このシステムは1つの細胞中のIRS蛋白とPI 3-キナーゼの結合を、intactの状態で計時的に観察することを可能にし(Nature Biotech. in press)、分析化学の分野でも大きな反響を生んでいる。 一方、動物モデルを用いたインスリン抵抗性のメカニズムについても、検討を進めた。高血圧のモデル動物やangiotensin II持続注入によって、塩分感受性高血圧ではPI 3-キナーゼ活性化までのシグナル伝達が亢進するタイプのインスリン抵抗性が生じることも明らかとなった。これらは、原因の違いによって異なる分子機序でインスリン抵抗性が生じることを明白に証明したものであり、インスリン抵抗性への臨床的アプローチを考える上でも重要な知見である。
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