研究課題/領域番号 |
12470251
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柳 健一 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70239797)
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研究分担者 |
高田 泰次 京都大学, 医学部, 助教授 (10272197)
三好 浩稔 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70292547)
大島 宣雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50015971)
金森 敏幸 産業技術総合研究所, 物質プロセス研究部門, 主任研究官
谷口 英樹 横浜市立大学, 医学部, 教授 (70292555)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | バイオ人工肝臓 / ブタ / 劇症肝不全 / 充填層型バイオリアクタ / α-amanitine / lipopolisaccharide / 肝細胞高密度培養 / アンモニア / 生存時間 / 動物モデル / 充填層型リアクタ / ポリビニルホルコール樹脂多孔質体 / 肝細胞 |
研究概要 |
研究代表者らはバイオ人工肝臓への応用を目的として、polyvinyl formal (PVF)樹脂多孔質体を細胞固定化用の担体とする充填層型リアクタを開発した。本研究ではこのリアクタをスケールアップして培養体積を1Lとしてin vitroの灌流場用を行い肝細胞の代謝能を評価すると共に薬剤誘発性劇症肝不全のブタへの体外灌流を行い、治療効果について検討した。 [方法]培養体積1Lの充填層型リアクタを用いた。ブタから遊離した肝細胞100gを固定化し、リザーバ、ローラーポンプ、酸素加装置からなる灌流装置を用いて灌流培養を行った。リザーバの出口部分で培地の酸素濃度とpHを測定し、酸素加装置へのガスの供給量を調節してそれぞれ40%と7.4に調節した。1週間の灌流培養を行い、肝細胞のアンモニア代謝、尿素合成、リドカイン代謝、アルブミン合成能を評価すると共に組織学的検索を行った。次に体重9〜12kgのブタの門脈内にα-amanitine(0.15mg/kg)とlipopolysaccharide(1μg/kg)を注入し、劇症肝不全モデルを作成した。薬剤注入後22hから8hの体外灌流を行い、hollow-fiber dialyzerを用いてブタの血液をリアクタの灌流液にて透析した。低血糖を予防するために125% dextroseを含む電解質液をamanitine投与直後から投与した。 [結果]In vitroの灌流実験において、肝細胞はin vivoの肝細胞に匹敵する良好な代謝能と組織形態を示した。薬剤を投与したブタの22h後の血中AST値は10000IU/L以上となり、劇症肝不全の病態を示した。血中アンモニア窒素濃度は急激な上昇を示し、22hの時点で305μg/dLとなったが、肝機能補助群では灌流開始後減少に転じ、8hの灌流終了時点では225μg/dLであった。灌流停止後には再び上昇に転じた。一方、肝細胞を含まない装置に灌流した群では灌流開始直後に希釈による一過性のアンモニア濃度の低下を認めたものの、その後は再び上昇した。無治療のコントロール群では著明な脳圧の上昇を示した後に平均49時間で死亡したのに対し、肝細胞を含まない装置に灌流した群では38時間に短縮し、治療群において45時間と延長傾向を認めた。 [結語]充填層型バイオ人工肝臓の肝機能補助効果がin vitroおよびex vivoの灌流実験によって実証された。
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