研究課題/領域番号 |
12470256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
廣瀬 哲朗 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (00314279)
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研究分担者 |
中辻 憲夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80237312)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
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キーワード | ES細胞 / 肝前駆細胞 / 内胚葉 / トランスジェニックマウス / 肝細胞増殖因子 / 骨髄細胞 / 肝細胞 / 分化誘導 / 蛍光励起セルソーター / 内胚葉レポーティングES細胞 / Cre / loxP / アルブミン / HGF |
研究概要 |
我々は胚性幹細胞内胚葉マーカーのひとつであるアルブミン遺伝子の肝特異的転写調節領域下にGreen Fluorescent Protein(GFP)を組み込んだレポーター遺伝子を作成し、胚性幹(ES)細胞から分化誘導される細胞群中での肝細胞同定が可能なシステムを作り上げた。しかし、アルブミン遺伝子のプロモーター活性が弱い事や、選別に用いる薬剤耐性遺伝子のプロモーターがアルブミン遺伝子の発現に影響を及ぼすことが判明したため、insulator配列やCre-loxPシステムの導入によりレポーター遺伝子の改良を行った。この遺伝子産物を有するトランスジェニックマウスを作成し、現在このシステムの有用性を検証中である。一方、我々は上記システムから得られる未分化または成熟した肝細胞を最終的には障害肝への治療に応用することを目的としていることから、肝再生時における増殖因子や幹・前駆細胞の役割に関しても同時に検討を行った。その結果、肝細胞増殖因子(HGF)が虚血再灌流障害時に酸化ストレスを軽減することにより、肝細胞障害を軽減させることを解明した(大江らJ Hepatology 2001)。さらに、部分肝切除後の肝再生時には、劇症肝炎モデル等で報告される骨髄細胞の実質細胞への分化は明らかでなかったが、骨髄細胞が内皮細胞やクッパー細胞に分化することで肝再生に寄与していることを明らかにした(藤井らJ Hepatology 2002)。また、研究当初は肝前駆細胞の特性は十分に解明されていなかったため、マウス胎仔肝を用いて肝前駆細胞を効率よく採取する手法を確立し、さらにこれらの細胞に遺伝子導入を高効率にできるシステムも確立した(安近らHepatology 2002)。現在はこの肝前駆細胞の特性解析を行うとともに、成熟肝細胞への分化誘導法の確立を試みており、上記のレポーター遺伝子システムに応用することで確たる分化誘導法を樹立しつつある。また、成体マウスからも同様の手法を用いることで成体肝前駆細胞を分離・同定することも可能となり(東らHepatology 2003 in press)、現在詳細な特性解析をおこなっている。
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