研究課題/領域番号 |
12470268
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松村 輔二 (2002) 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80281997)
佐藤 雅美 (2000-2001) 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (30250830)
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研究分担者 |
遠藤 千顕 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80333813)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90323104)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
星川 康 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90333814)
松村 輔二 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (80281997)
谷田 達男 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (20217144)
佐川 元保 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (70292274)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 肺扁平上皮癌 / p53遺伝子 / 遺伝子変化 / 免疫染色 / hnRNPB1 / 血管新生 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 発癌 / マトリックスメタロプロアーゼ / 肺癌 / 自然史 / over diagnosis bias |
研究概要 |
検診の喀痰細胞診でチェックされ、胸部X線無所見肺癌の診断が得られながらも、治療不可能あるいは治療拒否の症例について、その自然史を調査した。約1/3の症例は臨床的な自覚症状無く、かつ胸部異常陰影も呈さず経過していた。残りの症例は、4-5年以内に胸部X線で腫瘤の形成が見られるものが多かった。検診で発見される胸部X線無所見肺癌の一部は、癌により死亡に至らないover diagnosisに相当すると考えられた。 胸部X線無所見肺癌における遺伝子変異を検討し、通常の進行扁平上皮癌と比較した。p53のエクソン5-8をトータルシークエンスし、通常の進行扁平上皮癌では従来報告されているミスセンス変異が主に見られるのに対し、胸部X線無所見肺癌ではこれとは異なるタンパクのトランケーションを生じるタイプの変異が約1/3の症例に認められることが確認された。他のバイオマーカーとして、hnRNPB1、MDM2、WAF1、PD-ECGF、Bc12、Baxなどそれぞれに対する抗体を用いて、タンパクの発現を検討した。その結果、hnRNPB1は扁平上皮癌の前癌病変の段階から発現していることが確認された。一方、その他のタンパクの抗体を用いた検討では、前癌病変の段階からclonal growthを示すものは認められなかった。血管新生因子であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)とその抑制因子と考えられているthe tissue inhibitors of MMPs (TIMPs)の扁平上皮癌における関与をMMP-2、MMP-3、MMP-9、TIMP-2それぞれに対する抗体を用いて検討した。MMPsの肺扁平上皮癌の発現率は低かったが、TIMP-2の発現率は高く、早期の癌から陽性であった。以上から、肺扁平上皮癌は発生の段階から進行の緩徐な遺伝子変化を伴った一群が存在し、それらを規定するものは、予後因子や腫瘍マーカーとなりうる可能性があると考えられた。
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