研究課題/領域番号 |
12470287
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高橋 均 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90206839)
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研究分担者 |
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
那波 宏之 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50183083)
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (80281012)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 難治てんかん / 神経病理 / 分子病理 / 遺伝子解析 / DNAアレイ / 脳発達障害 / 皮質形成異常 / てんかん外科 / Bilateral periventricular nodular heterotopia / Migration disorder / 剖検例 / DNA macroarray / 結節性硬化症 / hamartin / tubelin |
研究概要 |
難治てんかんの分子病態機序を解明する目的から、その切除脳・剖検脳サンプルを用いた臨床病理学的、分子病理学的、並びに分子生物学的解析を行った。 1 臨床病理学的解析:2002年3月末までに、125例の難治てんかん患者(男70:女55)の脳組織を病理検索した。脳発達障害、とりわけ皮質形成異常(75例、男41:女34、前頭葉14:側頭葉56:頭頂葉5)がもっとも多く、次いで、腫瘍25例、その他15例(血管異常など)であった。皮質形成異常については、組織学的変化の軽微なGrade Iがもっとも多く(66例、男34:女32、そのほとんどが側頭葉54)、全例の皮質・皮質下白質に明らかな反応性アストロサイトーシスが認められた。海馬は32例で検討されたが、てんかん発作発症年齢が低いほど海馬硬化の程度が強い傾向がみられた。しかし、海馬硬化の程度と皮質形成異常の程度には相関は認められなかった。 2 分子病理学的解析:Bilateral paraventricular nodular heterotopia (BPNH)の1剖検例について、その原因遺伝子の同定を行った。原因遺伝子検索では、filamin 1遺伝子に変異を認め、その部位はこれまで報告のないもの(exon 11におけるmissense mutation ; nucleotide 1582:G>A [V528M])であった。本例は遺伝子異常の確認と併せ、その詳細な臨床病理が提示されたはじめての症例である。 3 分子生物学的解析:ヒト正常剖検脳の前頭葉、運動野及び視覚野について、DNAマクロアレイ用いた解析を行った。その結果、ごく少数の分子(ANX2、hEGR1)のmRNAの発現に差はみられたものの、全体のプロファイルはこれらの領域でほぼ同様であった。今後、難治てんかん切除脳の診断、とくに皮質形成異常の的確な分子病理学的診断を目指して同様の検討を行う計画である。
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