研究課題/領域番号 |
12470288
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
貫井 英明 山梨大学, 医学部, 教授 (20008303)
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研究分担者 |
橋爪 和弘 山梨大学, 医学部, 助手 (00260571)
杉田 正夫 山梨大学, 医学部, 助手 (70235886)
大橋 康弘 山梨医科大学, 医学部, 医員
宮沢 伸彦 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60209898)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | cerebral infarction / repetitive ischemia / glutamate / exite-toxity / microdialysis / mGluR agonist / ischemic tolerance / rat model / micro dialysis / preconditioning / mGluR / cerebral blood flow / heat shock protein / reperfusion injury / endothelium |
研究概要 |
【背景および目的】短時間の反復する脳虚血が脳循環代謝にどのような変化をもたらすかはいまだ十分な検討がなされていない。本研究にて、われわれはラットモデルを用いて1)反復虚血時の血流変動について。2)虚血耐性に関連するHeat shock protein(hsp)70蛋白の誘導について。3)遅発性神経細胞死と関連するグルタミン酸の短時間虚血時の蓄積効果および慢性期の再虚血における反応。4)代謝性グルタミン酸受容体(mGluR)agonistによるグルタミン酸放出抑制効果について明らかにすることを目的とした。 【対象と方法】ラット脳虚血モデルは塞栓糸を用いて中大脳動脈を閉塞し再開通可能な小泉モデルを用いた。Laser Doppler flowmetryにて脳血流を測定し、確実に血流の低下と上昇が生じたことを確認した動物のみを対象とした。hsp蛋白はWestern blot法にて検出した。グルタミン酸の測定は右尾状核部にprobeを挿入しマイクロダイアリシス装置を用い行った。慢性期実験では短時間虚血負荷後2週間、4週間の時点で再度2時間の虚血を生じさせ、グルタミン酸の変化を測定した。mGluR agonistの効果を検討するためDCG-IVを局所投与し上記と同様に測定した。 【結果】1)短時間虚血負荷後のreactive hyperemiaは繰り返し回数が増加するとともに減弱した。2)hsp70蛋白の誘導はこのモデルでは定した結果を認めなかった。3)7分以下の虚血負荷を繰り返してもグルタミン酸の上昇を認めず蓄積効果はなかった。慢性期実験では反復虚血負荷後2週間で再閉塞実験が行なえた群では半数で反復虚血負荷の無い群と同様に著明なグルタミン酸上昇を認めたが、残りは反応が無いか著明に減少していた。反復虚血後4週間群では反応性のグルタミン酸上昇が著明に減弱していた。4)DCGIVは虚血時のグルタミン酸のpeak値を減少させたが、有意差には至らなかった。 【考察】繰り返し塞栓糸を挿入して虚血負荷を行うモデルでは高頻度にくも膜下出血の合併や再開通不能例があり、塞栓糸による血管損傷が問題と考えられた。また虚血程度と範囲にばらつきが多いことによりhsp蛋白の誘導が時間、繰り返し回数と関連した結果に至らなかった要因と考えている。反復虚血負荷後慢性期でのグルタミン反応性低下は新たな知見であり、今後、虚血耐性現象との関連を検討する必要がある。
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