配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
|
研究概要 |
脳血管障害,アルツハイマー病等の神経疾患から国民を守るためには、神経細胞死の詳細な解析が必要である。しかし,神経細胞死と一口に言っても,その成因や発生領域によって多様な様相を呈することが知られている。そこで、本研究では,様々な動物モデルを用いることによって,多様な神経細胞死のメカニズムを解明することを目的とした。まず,スナネズミを用いた総頸動脈三分間虚血モデルにおいて,非常にゆっくりとした神経細胞死が海馬CA1領域に発生することを明らかとし,またその神経細胞死がプロサボシン由来の18merペプチドの静脈内投与によって抑制されることを明らかとした。更に,試行錯誤の結果,新規遺伝子(Kjr)をcloningすることに成功した。解析の結果、本遺伝子にコードされる蛋白質は,骨形成因子と結合する能力を有する分子であることが明らかとなった。骨形成因子の中枢神経系における働きについては解析が進んでおらず,本遺伝子の発見はこの領域に一石を投じるものとなろう。更に,in situ hybrdization法と免疫組織化学法をもちいて,本蛋白の局在を調べたところ,中枢神経系全体のアストロサイトに反応が観察されたが,特に海馬歯状回や脳室下帯等の神経幹細胞が存在する領域に存在するアストロサイトに強い発現を認めた。現在本遺伝子のノックアウトマウスを作成中であり,今後,虚血病態における本遺伝子の役割について解析を進めていく所存である。
|