研究課題/領域番号 |
12470317
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 教授 (70181419)
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研究分担者 |
渡辺 洋子 新潟大学, 医学部, 助手 (80018853)
瀬尾 憲司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40242440)
多賀 紀一郎 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00163329)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | 海馬切片 / 大脳皮質切片 / 膜電位画像 / 脳虚血 / 虚血耐性 / 低酸素・無グルコース / 麻酔薬 / 延髄切片 / 脳切片 / 膨化 / 延髄 / 三叉神経脊髄路尾側亜核 / NMDA受容体 / NK_1受容体 / 神経興奮伝搬 / 脳組織切片 / 膜電位感受性色素 / 大脳皮質 / 海馬 |
研究概要 |
本研究では脳切片モデルと高速画像法を用いて中枢神経細胞機能とその虚血性障害の解析を行い、以下の知見を得た。 1 予め軽度脳虚血負荷(前処置)を施行したスナネズミについて、再度の虚血負荷後に生ずる神経細胞機能変化の進行を新鮮海馬切片標本の膜電位画像解析によって検索した。前処置をしなかった動物では虚血後、神経興奮伝搬が消失したが、前処置動物では、再虚血1日後の神経興奮伝搬が一部維持され、2か月後でもCA1細胞が残存し、興奮伝搬が認められ、神経細胞機能からも軽度脳虚血負荷による虚血耐性効果が裏付けられた。 2 低酸素・無グルコースを負荷したスナネズミ脳切片の神経細胞機能を経時的に観察した。2分間負荷した切片では、負荷後20時間まで神経興奮伝搬に著明な変化を認めなかった。5分間負荷では、負荷後0.5時間、3時間で海馬、大脳皮質での神経興奮伝搬が一部残存したが、20時間後には消失した。10分間負荷では、負荷後0.5時間の興奮伝搬が減弱し、3時間以降は消失して切片組織に著明な膨化が認められた。また、同様の低酸素・無グルコース負荷実験で、負荷時にケタミン、チアミラールまたはNMDA受容体チャネルブロッカーのMK-801を共存させると、負荷後の切片の膨化が軽減し、18-22時間後における興奮伝搬が一部維持され、低酸素・無グルコースに対してこれら麻酔薬が神経細胞を直接保護することが示された。その機序として、それら麻酔薬のNMDA受容体に対する拮抗性との関連が示唆される。 3 延髄切片における三叉神経脊髄路尾側亜核の神経興奮伝搬について、テタヌス刺激などの侵害刺激は、膠様質領域とその深部に数百ミリ秒持続する膜脱分極を誘起し、この興奮にはNMDA受容体およびNK_1受容体が関与していることを示した。三叉神経における神経伝達機能とその障害の解析に延髄切片を用いた高速画像法が適用できることを示した。
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