研究課題/領域番号 |
12470318
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
島田 康弘 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50028669)
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研究分担者 |
石川 直久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80109321)
木村 智政 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50161568)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | 神経原性肺水腫 / 肺血管透過性 / NO / 迷走神経 / フィブリン肺水腫 |
研究概要 |
神経原性肺水腫は中枢神経系疾患に併発する病態であるが、その機序は不明な点が多い。本研究で以下の知見が得られた。 1.フィブリン肺水腫モデルで肺内NPYの分布を調べた結果、肺胞マイクロファージ及び肺胞水腫液中に見出され、水腫液中NPY濃度は約200nMで血中濃度に比し著しく高濃度かつ水力学的肺水腫液濃度よりも有意に高かった。NPY受容体のサブタイプでは、われわれの行った薬理学的実験より、NPY Y_3受容体がNPYの肺血管透過性亢進作用に関与することが示唆された。 2.培養ラット大動脈血管内皮細胞(RAEC)を用い、正常状態(20%酸素)と低酸素状態(5%酸素)でNPY投与によるRAECの透過性を比較した。NPYは正常状態でRAECの透過性に影響しなかったが、低酸素状態で用量依存性に透過性を亢進させた。薬理学的実験から、低酸素状態ではNPYはY_3受容体を介し、血管内皮細胞透過性を亢進させることが示唆された。 3.NOは末梢組織と中枢神経系とで肺水腫対する影響が異なることが報告されている。フィブリン肺水腫モデルで第四脳室内へのNO合成阻害薬投与の結果、迷走神経無傷の場合は肺水腫の発生率と重症度を増加させたが、切断した場合は変化しなかった。一方、アルギニンを投与すると、迷走神経無傷では変化がなく、切断した場合肺水腫の発生率と重症度を減少させた。 4.ラット左側迷走神経切断モデルでフィブリン肺水腫発生に対する影響を検討した。左側迷走神経切断群では2週後、同側の弧束核、迷走神経背側核、疑核においてbNOSの発現が強く増加した。 5.中枢神経系におけるL-glutamateはNMDA受容体に結合し、NOの合成を促進し、神経原性肺水腫を抑制することが示唆された。 現在、NPY Y3受容体のクローニングに取り組んでいる。これが完成すれば、新しい治療薬の開発及び治療への応用が期待できる。
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