研究分担者 |
福田 秀樹 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00294588)
仁井内 浩 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50208112)
河本 昌志 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40127642)
前原 康宏 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20238877)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
平成12〜15年度で,悪性高熱症関連疾患患者およびその血縁者65名のCICR(Ca-induced Ca release)速度の測定を行った.65名中59名で宅急便を利用して,生検された骨格筋標本を輸送し検査を行った.患者の内訳は,悪性高熱症の既往歴22名,悪性高熱症家族歴21名,術後悪性高熱症10名,筋疾患4名,高CPK血症4名,横紋筋融解症2名,その他2名であった. CICR速度の亢進が認められたものは18名(悪性高熱症の既往歴11名,その家族歴6名,筋疾患1名)で,47名では亢進は認められなかった.このうちから骨格筋の培養に成功したものは41であった.これらの細胞を一旦-70℃で凍結保存した.これらから10名の骨格筋培養細胞を解凍してでカフェインによる細胞内のカルシウム動態について検討した.10名中4名でCICR速度の亢進が認められ悪性高熱症の素因があった.この4名のカフェインのED50は1.682±0.156Mmで,CICR速度の亢進が認められなかった6名のED50;0.2668±0.224mMに比べ有意に低かった.一方,ハロセンに対する反応は6名で検討した.検討できた例数が少ないためかCICR速度の亢進例と非亢進例では有意差は認められなかった.骨格筋小胞体のカルシウム放出チャンネル(リアノジン受容体:RYR1)の機能については、その遺伝子の変異部位が多数報告されている.この異常部位によって機能異常の程度が異なる可能性があると考えられるため,さらに悪性高熱症の原因遺伝子であるRYR1の変異部位とカルシウチャンネルの機能異常についての関連性の検討が必要である。 遺伝子解析については,8例でRYR1遺伝子の点変異を6箇所検索したが,変異は認められなかった.RYR1は約5000のアミノ酸からなる大きなたんぱく質で,悪性高熱症に関与する変異部位は40箇所以上報告されている.これらについてのさらなる検索は,当施設で行っていた方法では時間と費用がかかり困難であった.
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