研究課題/領域番号 |
12470322
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
須加原 一博 琉球大学, 医学部, 教授 (20171126)
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研究分担者 |
大城 匡勝 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (00315483)
宮田 裕史 琉球大学, 医学部, 助手 (60315471)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2001年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2000年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 急性肺障害 / 創傷治癒 / サイトカイン / 分子生物学 / 肺胞上皮細胞 / アポトーシス / 細胞増殖因子 / 虚血性脳障害 / 遅発性神経細胞死 |
研究概要 |
1.肺胞上皮細胞増殖因子による肺障害抑制の機序解明-これまでの研究成果から、(1)ケラチノサイト増殖因子(KGF)の経気道的投与により肺胞II型上皮細胞が特異的に増殖させ、肺表面活性物質・アポ蛋白質遺伝子発現を明に増加させること、(2)KGFを前投与することでブレオマイシン肺線維症や塩酸肺障害を軽減できること、などが明らかになった。この機序を解明する目的で、急性肺障害ラット肺について、脂質代謝に関与する転写因子C/EBPα、β、δや肝細胞増殖因子HGFおよびTransforming growth factor (TGF)βなどの遺伝子発現を検索した。C/EBPδがある種の肺胞II型上皮細胞にのみ発現しており、肺胞II型上皮細胞にsubtypeが存在することが示唆された。C/EBPαとC/EBPδの発現が相補的であり、ブレオマイシン肺線維症ではC/EBPδが、エンドトキシン肺障害ではC/EBPαが強く発現しており、肺胞上皮細胞の増殖と線維化とに深く関連することが示唆された。2.転写因子C/EBPによる肺サーファクタント・アポ蛋白質遺伝子の調節-C/EBPα欠損マウス肺とC/EBPβ欠損マウス肺における肺表面活性物質・アポ蛋白質の遺伝子発現動態を検索した。C/EBPα欠損マウスは、生後すぐ呼吸不全を呈して死亡する。この肺では、SP-A, SP-BとSP-Cの遺伝子の過剰発現がみられ、C/EBPαが肺サーファクタント・アポ蛋白質発現を抑制的に調節していることが示唆された。肺胞II型上皮細胞に特異的なSP-C遺伝子上で、C/EBPの結合部位を検索すると10個の結合部位が推定され、現在これらの部位の機能的な役割について研究を進めている。3.KGFの組織修復機能の解明-この研究の一つとして、一過性の脳虚血障害に予防効果があるか検索した。KGF mRNAは、脳組織の皮質、海馬や扁桃核に強く発現していた。KGFを持続的に脳脊髄液中に投与することにより、一過性脳虚血障害による海馬CA1領域の遅発性神経細胞死を抑制することが明らかになった。このことは、KGFが神経細胞のアポトーシスを抑制することを示唆する。今後この機序をさらに解明したいと考えている。4。先天性横隔膜ヘルニア(CDH)の肺低形成に対する細胞増殖因子の肺形成促進薬剤誘発CDHにvitamin A, Retinoic acidやKGFを投与し、CDHの発生頻度、肺形成促進などについて検索し、KGFの強い肺形成促進効果を証明した。現在その機序解明を進めている。
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