配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
ゴナドトロピン放出因子(GnRH)アナログはGnRH受容体陽性腫瘍に作用し,増殖抑制作用を発揮する。これらの腫瘍ではGnRH様ペプチドも産生されており,腫瘍増殖におけるGnRHのオートクリン的な多様作用が注目されていた。本研究によって, 1)内膜癌組織内ではGnRHの産生・分解系が高まっていること, 2)GnRHアナログ刺激によって,GnRHを(1-5)GnRHと(6-10)GnRHに分解する加水分解酵素が1.5倍に亢進することが明らかになった。 また,リゾホスファチジン酸(LPA)はこのような腫瘍細胞の増殖を促進することが知られている。 本研究はさらに, 1)LPAの分解は脱リン酸化反応つまりphosphatase活性によること, 2)このLPA分解は形質膜でなされること, 3)GnRHIによるGnRH受容体の活性化に伴ってLPAの分解が亢進すること, 4)GnRHII,(1-5)GnRH,(6-10)GnRHはこのような作用を有しないことを明らかにした。 つまり,GnRHはLPAの分解を促進し,その増殖促進効果を遮断することが示唆された。ところが,GnRHIIやGnRHの分解産物がGnRH受容体に結合しても,LPAの分解シグナルには伝達されなかった。 以上より,内膜癌細胞のGnRH受容体が活性化されると,GnRHの分解が亢進しGnRHの増殖抑制という細胞増殖調節機構が破綻することが示された。GnRH刺激に伴うこのGnRH代謝障害が,GnRH受容体の抗増殖シグナルに関与しているのかもしれない。
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