研究課題/領域番号 |
12470348
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吉村 泰典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10129736)
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研究分担者 |
田中 守 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20207145)
末岡 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90162833)
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10209702)
久慈 直昭 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80169987)
宮崎 豊彦 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20174162)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
2001年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
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キーワード | 子宮内膜 / シグナル伝達 / チロシンリン酸化 / Srcキナーゼ / ヒストンアセチル化 / レドックス / シグナル伝達経路 / 分化 / 性ステロイドホルモン / 脱落膜 / チロシンキナーゼ / c-Src |
研究概要 |
本研究では、子宮内膜の多様な機能発現を担う細胞内シグナル伝達経路の解明を目的として、チロシンリン酸化、ヒストンアセチル化、酸化還元(レドックス)反応について検討し、以下の点を明らかにした。 1.リン酸化:内膜分化(脱落膜化)系において、種々の蛋白のリン酸化状態が変化すると同時に、src familyチロシンキナーゼのひとつであるc-Srcが活性化していた。活性化型c-Srcを認識する抗体clone 28を用いることにより、ヒト子宮内膜及び脱落膜において、分化に伴って活性化型の発現増強を検出した。次にsrc familyチロシンキナーゼの阻害剤を用いたところ、逆説的にc-Srcは活性化し、分化も促進された。阻害剤の特異性の限界を鑑み、c-Srcの野生体および一部の変異体を発現するadenovirusを作製し、内膜細胞に感染させてその発現を確認した段階である。一方、2次元電気泳動法によりチロシンリン酸化蛋白を網羅的に解析し、分化特異的なリン酸化スポットを約20種類同定した。また、齧歯類の脱落膜化においても、活性化型の発現が増強しており、現在c-Srcノックアウトマウスの内膜分化能を検討中である。 2.ヒストンアセチル化:脱アセチル化酵素阻害剤の内膜分化への影響を検討したところ、細胞・薬剤特異的に性ステロイド依存性分化を促進した。その際、一部のコアヒストンの特定の部位がアセチル化されていた。 3.レドックス反応:内膜の増殖・分化の際、レドックス環境を調節するチオレドキシンが誘導された。分化過程では細胞外へ放出され、paracrine/autocrineに増殖を調節する可能性が示された。 内膜機能発現には、様々な蛋白修飾を通じたシグナル伝達経路の活性化が重要であることが示唆された。雌性生殖器官疾患に対して、シグナル伝達を標的にした創薬および治療開発の可能性を示唆する研究成果が得られた。
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