研究課題/領域番号 |
12470354
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 千葉大学 (2002) 山梨医科大学 (2000-2001) |
研究代表者 |
岡本 美孝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40169157)
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研究分担者 |
荻野 純 山梨大学, 医学部, 講師 (00177156)
松崎 全成 山梨大学, 医学部, 講師 (90283217)
鈴木 誉 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10344988)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 急性中耳炎 / ウイルス / 細菌 / 気道アレルギー / 組織培養 / 核酸増幅 / 肺炎球菌 / ウイルス中和抗体 / 核酸増殖法 / 中耳炎動物モデル / 鼻アレルギー |
研究概要 |
急性中耳炎におけるウイルス感染の関与を明らかにするために、急性中耳炎に羅患した未治療の小児より中耳貯留液、上咽頭ぬぐい液を採取し、ウイルス及び細菌検査を行った。これらの患児の臨床経過や気道アレルギー合併についての解析も行った。また卵白アルブミンにて感作して作製した実験的鼻アレルギーモデルモルモットの中耳にrespiratory syncytial virus(RSウイルス)を用いた感染実験を行った。 34例の患児のうち、ウイルスは中耳貯留液中に組織培養法では4例(12%)、核酸増幅法(PCR)では13例(37%)に検出され、検出された症例では上咽頭ぬぐい液中に100%同じウイルスが検出された。一方、細菌は中耳貯留液中に10例(29%)検出されたが、上咽頭ぬぐい液中との一致率は50%であった。最も高頻度に検出された肺炎球菌についてのPCRによる検討では、中耳貯留液中に13例(35%)検出され、上咽頭ぬぐい液との一致率は80%であった。発症後2ヶ月以内の急性中耳炎の反復、滲出性中耳炎への移行といった経過不良例は20%の患児に認められ、気道アレルギーを合併する小児において、有意に高い頻度で認められ、なかでもウイルスが検出された気道アレルギー合併患児において顕著であった。モルモット中耳へのRSウイルスの感染実験では、感作モルモットに特に強い好酸球浸潤が認められた。 以上より小児急性中耳炎患児の30%以上の症例にウイルス感染の関与が認められた。特に気道アレルギーを合併する中耳鼓膜では、ウイルス感染に対してより強い炎症反応が引き起こされ、再発や滲出性中耳炎への高い移行が認められた。 ウイルス感染の予防、アレルギー炎症の制御が、中耳炎発症、増悪の阻止に重要と考えられた。ウイルスに対する高力価中和抗体局所投与の有効性が動物実験で示された。
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