研究課題/領域番号 |
12470363
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高木 均 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283596)
|
研究分担者 |
西脇 弘一 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303841)
桐生 純一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80281096)
柏井 聡 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50194717)
鈴間 潔 京都大学, 医学研究科, 助手 (80335265)
万代 道子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80263086)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
|
キーワード | 内皮細胞 / 周皮細胞 / アンジオポイエチン2 / AT1受容体 / 糖尿病網膜症 / PDGF受容体 / 網膜浮腫 / 眼内血管増殖疾患 / 内皮-周皮細胞間制御機構 / pericyte loss / アンジオテンシン / ATI阻害薬 / アンジオポエチン1 / ストレプトゾトシン糖尿病ラット / アンジオポイエチン1 / Tie2 / VEGFファミリー / アンジオポイエチン / アンジオランシン / VEGF / 血管増殖 / 透過性 |
研究概要 |
本研究では糖尿病網膜症や黄斑変性症などの眼内血管増殖疾患における内皮-周皮細胞間制御機構を明らかにしその制御により新しい眼内血管増殖疾患の治療法の開発をめざした。糖尿病網膜症では周皮細胞の変性・脱落が起こり、その結果毛細血管瘤や血管透過性亢進が起こることが知られている。初期糖尿病網膜症のモデルとなるストレプトゾトシン糖尿病ラットにおいて、RT-PCR法により糖尿病誘発6ヶ月の時点でアンジオポイエチン2の発現上昇が起こることが見出され、アンジオポイエチン2の発現部位には周皮細胞が減少していることがin situ hybridizationおよび二重免疫染色により観察された。以上の結果より初期網膜症のpericyte lossにAng2が関与している分子機構が示唆された(投稿中)。さらに網膜症眼でのレニンーアンジオテンシン系の役割を検討すると、内皮細胞ではアンジオテンシンによりAng2が選択的に増加することが見出され、内皮・周皮間に抑制制御がかかる可能性が示唆された(Diabetes 2001;50:867-875)。現在行われているDIRECT studyなどのAT1阻害薬の糖尿病網膜症に対する臨床治験の基礎的データとして評価される。次にこのような周皮細胞変性血管に対する治療法の開発を試みた。抗PDGFR-β抗体を生直後より投与したマウスでは網膜血管は周皮細胞による被覆を失い、内皮細胞間結合の解離、網膜浮腫などpericyte loss後に進展する糖尿病網膜症に類似した所見を呈する。このような異常血管に対するアンジオポエチン1(Ang1)の単独投与により周皮細胞の被覆がなくても網膜血管の正常な形成がみられ、浮腫や出血が阻止された。このようにAng1は網膜症における血管異常を是正する可能性が示唆された(JCI 2002;110;1619-28)。以上のような結果より糖尿病網膜症の治療法としてAng1やAT1受容体阻害薬が有用となる可能性が示唆された。
|