研究課題/領域番号 |
12470370
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 新潟大学 (2003) 埼玉県立がんセンター (2000-2002) |
研究代表者 |
橘 正芳 新潟大学, 脳研究所, 教授 (10128712)
|
研究分担者 |
足立 和歌子 京都府立医科大学, 眼科学教室, 助手 (90326231)
木下 茂 京都府立医科大学, 眼科学教室, 教授 (30116024)
松島 芳文 (松下 芳文) 埼玉県立ガンセンター, 研究室・主任研究員 (10094955)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | マウス / 自然発症 / 遺伝性 / 円錐角膜 / アンドロゲン依存性 / SKC / JKC / 性ホルモン / 自己免疫 / 若年発症性 / HLAタイプ / 連鎖解析 / 第13染色体 / 雄性発症 / アンドロジェン依存症 / MHC / アポトーシス / 角膜実質細胞 / 第17染色体 / 炎症 |
研究概要 |
ラボラトリーマウス及び日本産野生マウス(モロシヌス)中に円錐角膜、ないしは円錐角膜様病変を自然発症するマウスを発見し、それぞれSKC(spontaneous keratoconus)、JKC(Japanese keratoconus)マウスと命名した。両マウスの角膜病変はともに常染色体性劣性に遺伝した。そこで遺伝子座位を連鎖解析法により求めたところ、SKCマウスではマウス第17染色体上に、JKCマウスでは第13染色体上に決定することができた。 SKCマウスの円錐角膜病変は、興味深いことに雄のマウスに選択的に発症し、雌でははとんど発症しなかった。しかし雌のSKCマウスに弱齢時(約4週齢)にアンドロゲン(2mg/1匹)を投与しておくと、生後3ヶ月以降多数例(66%)に円錐角膜病変を発症した。逆に雄では、弱齢時に去勢しておくと円錐角膜病変の発症率が大きく低下した。次にSKCマウスの円錐角膜病変がアンドロゲン依存性に発症する機序を探るため、正常マウスの角膜におけるアンドロゲン受容体の分布を免疫組織化学的に調べたところ、角膜の種々の細胞の核に発現していた。このアンドロゲン受容体の発現はRT-PCR法によってRNAレベルでも確認できた。これらの結果は、SKCマウスの角膜細胞でアンドロゲンがその受容体に作用してアンドロゲン依存性円錐角膜病変の発症を惹起している可能性があることを示唆している。さらに研究をすすめたところ、マウス角膜の細胞にはアンドロゲン受容体のみならずα型・β型のエストロゲン受容体も発現していることが明らかになった。またヒトの角膜細胞についても同様な方法で検討したところ、これらにも性ホルモン受容体が発現していた。従ってSKCのマウスの円錐角膜病変、ひいてはヒトの円錐角膜などの角膜疾患の発症に性ホルモンが関与してる可能性が示唆された。
|