研究課題/領域番号 |
12470373
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
水田 祥代 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30038856)
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研究分担者 |
山内 健 九州大学病院, 助手 (50294921)
田尻 達郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80304806)
田口 智章 九州大学病院, 助教授 (20197247)
増本 幸二 九州大学病院, 助手 (20343329)
荻田 桂子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40346771)
田口 匠平 九州大学, 医学部附属病院, 医員
窪田 正幸 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50205150)
中尾 真 九州大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
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キーワード | 新生仔ブタ / 短腸症候群 / 肝組織血流 / 門脈血流 / 肝機能障害 / 肝線維化 / 小腸移植 / 小腸大量切除 / 短腸症候群モデル / 小腸大量切徐 / 新生児 / 門脈 / 血流計 / 空腸 / 回腸 |
研究概要 |
新生仔ブタ短腸症候群モデルを作成し、短腸症候群に伴う肝機能障害の発生機序について肝組織血流、門脈血流の面から検討を加えてきた。 7生日の新生仔ブタを、Short bowel syndrome(SBS)群(80%小腸切除)、Sham群(腸吻合のみ)、機能的SBS群(バイパス術、血流は不変)、コントロール群(週齢を同じくし、無処置)に分け、術前、術後7・14日目に、血液生化学検査、門脈血流、肝組織血流を測定した。また同時に小腸および肝生検を施行した。 血液生化学:ビリルビン、トランスアミナーゼは群間に差を認めなかったが、総胆汁酸はSBS群、機能的SBS群で14日目に高値となる傾向をしめした。 肝組織・門脈血流:肝組織血流の変化は有意な変化はみられなかったが門脈血流はSBS群のみ腸切除直後から急激に減少し、その後もコントロール群および機能的SBS群に比して有意に低値で推移した。 組織学的変化:SBS群は術後7日目では炎症性細胞浸潤、14日目では肝細胞の脂肪変性・肝小葉の破壊・微小胆汁栓を認め、またα-SMA陽性の活性型伊東細胞の増加・軽度の肝線維化を認めた。コントロール群、機能的SBS群には変化を認めなかった。 以上の所見から、新生仔短腸症候群における肝機能障害の発生には門脈血流の低下が肝細胞障害や胆汁鬱滞の発生に関与していると考えられた。また同時に伊東細胞の活性化により術後14日目で肝の線維化がすでに惹起されていることも示された。成人に比べると新生児期に発症した短腸症候群では肝障害の進行がはやく致死的となる症例が多くみられる理由がこの実験によりある程度説明できるものと考えられる。今後、短腸の残存部位による差についても検討していく必要がある。
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