研究課題/領域番号 |
12470380
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高田 春比古 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30135743)
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研究分担者 |
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40292221)
菅原 俊二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10241639)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2001年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2000年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 自然免疫 / Toll-like receptor / CD14 / LPS / ペプチドグリカン / リポタイコ酸 / ムラミルジペプチド / MyD88 / ペプチドグライカン / MDP / ジンジパイン |
研究概要 |
侵襲微生物をパターン認識して生体防御を担当するinnate immunity(自然免疫)系、特にToll-like receptor(TLR)系の解明が急速に進んでいる。申請者らは各種菌体成分の自然免疫系による認識機構、特に歯周組織構成細胞による認識機構を研究し、口腔粘膜疾患との係わりを探ろうとした。主な研究成果は次の通りである。(1)歯周病原菌と目されるPorphyromonas gingivalisが産生する3種のシステインプロテアーゼ(gingipain)はヒト単球上の膜CD14(mCD14)を分解して、同細胞のリポ多糖(LPS)応答を喪失させる。これは、P.gingivalisの自然免疫回避機構と考えられる。(2)ヒト好中球酵素エラスターゼはヒト歯肉線維芽細胞のmCD14を溶解して、同細胞のLPS応答を喪失させる。これは過剰な自然免疫応答を抑えるフィードバック機構と考えられる。(3)一般にmCD14を欠く上皮系細胞は遊離型CD14(sCD14)存在下ではTLRを介して各種菌体成分に応答する。しかし、口腔上皮細胞はsCD14存在下でもLPS、ペプチドグリカン(PGN)ならびにその活性中心に当たる合成ムラミルジペプチド(MDP)、グラム陽性菌のリポタイコ酸(LTA)に不応答である。(4)Staphylococcusepidermidis PGNを酵素処理して調製した可溶性PGN、SEPSはTLR2を介して細胞を活性化するが、SEPSのグリカン鎖を界裂させたフラグメントやMDPにはそのような作用が認められない。(5)MDPはヒト単球系細胞をCD14,TLR2および4非依存的に作用してMyD88発現を増強し、LPSやLTA(いずれもTLR4依存的活性を示す)と相乗的なサイトカイン誘導作用を発揮する。(6)インターフェロンγで処理された歯肉線維芽細胞ではmCD14ならびにMyD88発現が上昇して、LPS高応答性を示すようになる。今後、さらに多くの菌体成分と自然免疫系との係わりを解明し、新しい視点から歯周病研究に資したいと考えている。
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