研究課題/領域番号 |
12470381
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60089951)
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研究分担者 |
中島 琢磨 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90256678)
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40013940)
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00014332)
酒井 英紀 独協医科大学, 医学部, 講師 (60292976)
入谷 昭男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (20292972)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2001年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2000年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | CGH / 口腔癌 / ERK / 増幅 / two hybrid system / Naf1 / H-ras / EGFR / NEF / NAF1 / リン酸化 / MEK阻害剤 / シグナル伝達 / 口腔扁平上皮癌 / マップキナーゼ / 酵母 |
研究概要 |
本研究課題について以下の結果を得た。(1)本学口腔外科学講座を中心に樹立された口腔扁平上皮癌細胞株の3つにCGH法でERK2遺伝子座位を含む約1.7Mb領域の増幅を見い出し、そのうち2株でERK2の発現上昇を検出した。EGFRからERKに至る増殖シグナル系の異常をras変異の有無、EGFRの増幅とERK2 mRNAへの過剰発現と比較したところ1/15細胞株を除き重複はなくこれら蛋白が同じ道筋で働いているとのこれまでの知見と一致した。なお腫瘍組織のERFRとERK2染色体領域の同時増幅を調べたが、検出できなかった。(2)EGFからのシグナル伝達の異常を調べたところ刺激がERKまで伝わらない細胞株が2/10株(20%)あったが、EGFからAKT, p70に至る経路の異常が3/5株(60%)に検出され、EGF/ras/ERKシグナル伝達経路の重要性とAKT, p70へのシグナル伝達に異常がかなりの頻度で生じていることが判明した。(3)ERK2と相互作用する蛋白質遺伝子として新規遺伝子を1つ、結合が知られていなかった蛋白遺伝子を5つ見い出し、このうちpull downと免疫沈降で結合を確認したNaf1(HIVのNef結合蛋白質)は細胞質に局在し、ERKの核へ移行を阻害すること、一方ERK2はNaf1をリン酸化しNef1との結合性を付与し、細胞増殖とHIVの機能修飾に重要な因子であることが示唆された。(4)十分な量の臨床材料が得られた大腸癌組織で調べたところ遠隔転位癌でERKとH-rasの過剰発現が検出されたが癌細胞ではEGFR-H-ras-MEK-ERKのシグナル伝達経路が使われており、癌細胞ではEGFRを介するERKの活性化が起きていること、ERKの過剰発現が予後因子としての重要であることが示唆された。(5)ERKの上流のMEKの阻害剤はERK2を過剰に発現する細胞株ではEGFRの過剰発現細胞に比べ感受性が高く、MEK阻害剤の臨床応用への基礎データが得られた。
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