研究課題/領域番号 |
12470395
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
向後 隆男 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80001949)
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研究分担者 |
高橋 茂 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70241338)
飯塚 正 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80168062)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | 唾液腺癌 / 組織像の変異 / エストロジェンレセプター / エストロジェン / DMBA / 唾液腺導管結紮 / ラット / 臨床病理学的検索 / 唾液腺腫瘍 / 分化 / 増殖 / 腺癌から扁平上皮癌への移行 / 粘表皮癌 / タモキシフェン / ヒト |
研究概要 |
1.実験的検索 1)DMBA誘発ラット顎下腺癌の初期変化は腺房の変性・消失、導管の変化で、その後、小導管の増殖、導管の異型増殖を示して腺癌の発生をみる。腺癌には導管上皮や筋上皮の関与があり、それらの動態を排出導管結紮により検索した。 結果:結紮後2-3日で導管にPCNA陽性細胞および細胞分裂像が出現して、導管細胞の細胞周期の短縮が生じ、3-4日では腺房の減少とTUNEL陽性細胞がみられ、7日に腺房はほとんど消失した。筋上皮細胞のPCNA陽性は結紮後2-3日にみられ、その後減少し、TUNEL陽性細胞(アポトーシス)は2日に出現し、5日に最大であった。 2)ラットを用い、卵巣非摘出または卵巣摘出後に顎下腺にDMBAを投与、あるいはDMBA誘発腺癌発育後に卵巣摘出やtamoxifen投与行い病理組織学的に検索した。 結果:腺癌は雌に多発し、エストロジェン分泌を阻害すると腺癌から扁平上皮癌への移行がみられ、移行像では導管細胞に形態変異を生じた。その際、腺癌構成エストロジェン・レセプター(ER)発現細胞にアポトーシスがみられ、移行した扁平上皮癌のER発現は殆ど消失するが、その後、扁平上皮癌の一部にER発現細胞が認められるようになる。これらの変化には性ホルモンとレセプターの動態の関与が示唆された。 2.臨床病理学的検索 粘表皮癌におけるER, PgR, cytokeratin (CK) 6,7,8,13,19 MIB-1、PCNAの発現動態を検索した。結果:粘表皮癌の53%にERが発現していた。類表皮細胞は中間細胞より、ERの発現率が高く、粘表皮細胞では発現細胞は僅かであった。ER発現はWHO分類の高分化型に多く、MIB-1は低分化型に高い傾向を示した。原発巣とリンパ節転移巣とでERとCKの発現様式が異なる症例もあった。ERは腫瘍細胞の分化に関連していることが示唆された。
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