研究分担者 |
中西 徹 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30243463)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00225195)
荒川 光 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30304314)
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研究概要 |
本研究は,遺伝子治療を用いたインプラント周囲骨の骨増生法を開発することを目的に,現在遺伝子導入によく用いられているアデノウイルスベクターにCTGFなどの骨形成関連因子を組み込み,このウイルスベクターを実験動物の一部骨を欠損させた骨や実験的にインプラント周囲骨を欠損させた部位にex vivo法にて導入し骨を増生させることができるか検討を行うものである. 平成12年度から平成13年度に置いて本研究を行った結果,以下の結論を得た. 1.アデノウイルスベクターにレポータージーンであるlacZや骨形成関連因子であるCTGFを組み込むことができた. 2.そのベクターを用いた骨芽細胞におけるin vitroでの遺伝子導入効率はMOI50が最適であり,導入後7日を経てもCTGF遺伝子の発現とCTGFタンパクの産生が確認された. 3.実験的骨欠損作成過程では,抜歯創治癒,すなわち歯槽骨再生過程でCTGFが重要なキーファクターであることが確認された. 4.実験的骨欠損を作成し,ex vivo遺伝子導入法を試みた結果,自己の細胞(骨芽細胞)を単離採取して,増殖・分化させることが困難であることがわかった. 5.培養した骨芽細胞はチタン上に生着し,分化・増殖することが確認された. 以上の結果から今後は,自己の細胞を局所から採取し,目的とする細胞のみを効率良く単離し,分化増殖させる方法がex vivo法にとっては不可欠であり,その確立が必要であると考えられた.
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