研究分担者 |
大島 朋子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (50233101)
松本 亀治 鶴見大学, 歯学部, 講師 (60139631)
前田 伸子 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10148067)
梁 洪淵 鶴見大学, 歯学部, 助手 (10298268)
菅 武雄 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40247333)
|
研究概要 |
本研究は,長期療養者ならびに寝たきり者における口腔疾患発症のメカニズムの解明と口腔衛生介護に必要な基礎的データを得ること,さらに口腔清掃の在り方と歯科口腔疾患,嚥下障害,感染症との因果関係を明らかにすることを目的とした.それらのために,日和見感染病原体である真菌(Candida属),Staphylococci, MRSA,また齲蝕病原菌であるStreptococcus mutansグループと乳酸桿菌群,歯周病原菌,そして唾液流量,唾液緩衝能,唾液の生化学的性状,義歯形態と材質,残存歯数などが口腔常在微生物叢に及ぼす影響を検索した. 本研究により,以下の結論を得た. 1.全身状態や日常生活動作(ADL)の低下により,Candidaの増加傾向が認められた. 2.Candidaとlactobacilliに正の相関があることが追認された. 3.糖尿病患者を対象とした研究結果では,血糖コントロール後ではコントロール前と比較してすべての菌数が低下することから,免疫値が菌数に大きく影響することが確認できた. 4.施設に入居している高齢者を対象とした口腔衛生の指導前後で,唾液分泌量の増加・mutans streptococciの減少・唾液緩衝能の改善・Candida菌数の減少・staphylococci菌数の減少・CH_3SH産生の低下,などが認められた. 5.在宅要介護高齢者を対象として舌ブラシによる口腔衛生指導を導入したところ,Candida菌数の劇的な減少が認められた.
|