研究課題/領域番号 |
12470445
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
仲西 修 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50137345)
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研究分担者 |
河原 博 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10186124)
今村 佳樹 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (90176503)
石川 敏三 山口大学, 医学部, 教授 (90034991)
岩本 将嗣 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20223430)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 癌性疼痛 / 神経因性疼痛 / 痛覚過敏 / CSF-glutamate / c-fos / アポトーシス / 脳脊髄液中glutamate |
研究概要 |
本研究は、ラットの顎・顔面部レベルにおける癌性疼痛および神経因性疼痛の病態について三叉神経脊髄路核の特定の神経細胞の傷害性(c-fos発現-apoptosis)の発現と、その治療法を検討した。 癌性疼痛(下顎骨内へのlytic tumor cell注入)および神経因性疼痛(下歯槽神経管内シリコン注入)の病態モデルでの下口唇部への痛覚刺激への反応と脳脊髄液中glutamate濃度(:HPLC-ECD法)を検討するとともに病理組織学的検討では三叉神経脊髄路核を摘出、凍結し、組織切片を作成した(神経因性疼痛モデル:5、10日後、癌性モデル:20,25日後)。これらの組織切片に対してprogrammed cell deathに関係すると考えられるc-fos遺伝子発現(in situ hybridization法)とDNA断片化に対するTUNEL染色を施して検討した。 痛覚閾値の上昇は神経因性疼痛モデルでは3日から25日まで、癌性疼痛モデルでは18日から25日まで出現した。脳脊髄液中glutamate濃度は神経因性疼痛モデルで10日目に20%、癌性疼痛モデルでは20日目に30%以上の増加が認められた。また、三叉神経脊髄路核の病理組織学的変化では神経因性疼痛モデルの5日でc-fos蛋白陽性の増加が、10日ではネクローシスの増加が認められた。癌性疼痛モデルでは20日目にc-fos蛋白陽性とネクローシスの増加が認められた。神経因性疼痛モデルヘのN型Ca2+チャネル阻害薬や5-HT2A阻害薬の投与は痛覚閾値の低下を抑制し、c-fos蛋白陽性やネクローシスの増加を抑制した。以上から、癌性および神経因性疼痛によるprogrammed cell deathが明かとなるとともに、N型Ca2+チャネル阻害薬や5-HT2A阻害薬の慢性疼痛への効果が明かとなり、癌性および神経因性疼痛における治療法の方向性が示された。
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