研究課題/領域番号 |
12470462
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 昭彦 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00037524)
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研究分担者 |
徳森 謙二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40253463)
青木 義満 芝浦工業大学, 工学部, 講師 (00318792)
橋本 周司 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60063806)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | 頭部X線規格写真 / 顔面規格写真 / 日本人成人男女標準頭部三次元モデル / 個人頭部三次元モデル / 手術シミュレーション / 三次元画像 / 頭部ワイヤーフレーム / 三次元面像 |
研究概要 |
顎顔面頭部の形態異常を取り扱う分野にとって、診断のためには同部位の構造を立体的に把握することが必須である。そのためにComputed Tomography (CT)画像を三次元構築した3D-CTが用いられているが、先天異常や大がかりな手術を行う症例を除いてすべての形態異常の患者にCTを撮影することは被爆線量が大きいため許されることではない。本研究は通常の臨床で撮影されるX線や顔面写真や歯列印象模型から三次元画像を構築し、診断や治療方針の決定などに役立たせることを目的として開始した。 本学倫理委員会の許可のもと、本研究について説明を行い承諾が得られた成人男子11名、成人女子10名を対象としてCTと歯列印象模型を採得した。まず構築した3D-CT画像上に硬組織36個、軟組織80個の解剖学的特徴点を設定してその三次元座標値を求め、男女別に平均座標を算出した。そして既成の頭部モデル(Viewpoint社、USA)の該当する特徴点を標準モデルの平均座標に合わせて適合、変形させて日本人成人の男女標準頭部モデルを作成した。ついで個人の頭部モデル作成のため、正・側頭部X線規格写真(セファロ)上に同じ特徴点を設定して拡大率などの補正のあとそれぞれの三次元座標値を算出し、標準モデルを適合・変形させて個人の三次元頭部モデルを作成した。同様に歯列については非接触型三次元形状読み取り装置を用いて被験者の歯列上の特徴点で既成モデルを変形し、頭部モデルに組み込んだ。構築された硬・軟組織・歯列統合頭部個人モデルとその構築システムは、パーソナルコンピュータに回転表示し、あらゆる方向から観察できる特徴を備えさせた。また、頭部を、上顎脳頭蓋、上顎歯列、下顎骨、下顎歯列、および顔軟組織とに分轄表示する機能を持たせ、広範囲な臨床応用ができるようにした。 開発した本システムの臨床応用として、下顎前突症患者の下顎枝矢状分割術による手術後シミュレーションを試みた。その結果、手術後の実際の形状を比較的正確かつ三次元的に予測でき、このシステムが患者への説明やインフォームドコンセントを確立するために有用であることが確認された。 これまでの研究は遂時、西日本矯正歯科学会、日本矯正歯科学会、日本顎変形症学会、日本顔学会、日本情報通信学会、計測自動制御学会などの国内学会に発表し、計測自動制御学会の発表は優秀発表賞が授与された。また、Automatic Face and Gesture Rcognition (2000)、19^<th> International Society for Photometry and Remote Sencing (2000)、International Orthodontic Congress (2001)などの国際学会に発表し、それらをまとめて別紙の通り国内、国際学会誌に投稿した。そのうち日本顎変形症学会誌に掲載された論文は学会賞が授与された。 これら一連の研究から、研究代表者の中島が西日本歯科矯正学会から依頼を受けて特別講演を行った。そのほか、いくつかの雑誌から研究の紹介記事の要請があり、またNHKの特別番組(NHKスペシャル)「日本人のルーツを探る」において、頭部三次元構造の紹介で取材を受け、その一部が放映された。
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